寄稿/東北地方整備局 青森河川国道事務所長 一戸 欣也

寄稿/東北地方整備局 青森河川国道事務所長 一戸  欣也

県都青森市と八戸市を結ぶ高規格幹線道路ネットワークを形成

―― 地域経済、観光支援を担う道路網 天間林道路の整備に重点

国土交通省 東北地方整備局
青森河川国道事務所長

一戸 欣也


私ども青森河川国道事務所では、「安全で安心して暮らせる地域」、「活力ある地域」を目指し、青森の優れた自然環境・景観・観光資源との調和を図りつつ、地域と連携を図りながら、河川・道路事業の効率的・円滑な実施に努めています。

目下、整備に重点を置き進めているのは、 上北自動車道を構成する一般国道45号天間林道路です。この国道45号は、仙台市を起点として、三陸沿岸地域を経由し八戸市、十和田市を経て青森市に至る総延長639.4km(十和田市~青森市は国道4号と重複)の主要幹線道路であり、そのうち岩手県境から国道4号との交差地点までの延長72.7kmを、当事務所が担当しています。

上北自動車道は、県都青森市と八戸市を結ぶ高規格幹線道路として延長23.8kmの整備を進めており、すでに六戸JCT~上北IC間7.7kmの上北道路は平成24年度に開通し、上北IC~七戸IC間7.8kmの上北天間林道路は、平成30年度に開通しています。

現在は七戸IC~天間林IC(2)(仮)間8.3kmの天間林道路について令和4年内の開通に向け、改良工事、舗装工事を重点的に進めているところです。

この上北自動車道の全線開通により、青森~八戸間のルートが大きく変化し、移動時間の短縮による物流効率化、速達性・定時性の向上、インバウンドの立体観光拡大、救急医療搬送の支援が期待されております。沿線地域では、高規格幹線道路の延伸により、工業団地の分譲面積増加の効果が現れており、地域産業の更なる活性化が期待されております。

 

左:天間林道路 坪川橋付近、右:天間林道路 天間林(2)IC付近

すでに開通した上北道路、上北天間林道路により、並行する国道4号、国道45号の交通混雑の緩和など沿道環境改善も期待されております。現在は天間林道路全線において改良工事を展開しており、十数社に及ぶ施工会社の皆さんには工事安全と周辺住民の方々への配慮を心がけた施工を進めていただいております。

地域産業整備効果

当事務所管内では天間林道路のほかに国道103号奥入瀬(青橅山)バイパスや津軽自動車道の一部を構成する国道101号柏浮田道路の事業を推進しております。

国道103号奥入瀬(青橅山)バイパスは直轄権限代行事業として平成25年度から当事務所で事業を進めております。我が国が世界に誇る奥入瀬渓流の自然環境を保全することなどを目的とした延長5.2kmのバイパスで、その殆どをトンネルが占めております。低強度地山対策や湧水対策等、技術的難易度の高い工事ですが、有識者からの助言を得て順調に進捗しております。

更に、奥入瀬バイパスの開通後を見据え、渓流に並行する国道102号の道路空間を活用した新たな観光振興、地域づくりの検討などソフト施策についても行政、学識者、地域住民などと一体となって取り組んでいます。

津軽自動車道の柏浮田道路(12.3km)は平成30年度から事業に着手し、現在調査設計、用地買収等を進めています。

また、東北地方整備局では令和3年4月に、防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム(東北ブロック版)を策定しました。

今後、県内対策箇所については、本プログラムに基づき重点的かつ集中的に実施して参ります。

地域のみなさまには、天間林道路をはじめ当所道路事業に対し、ご理解、ご協力を頂き感謝申し上げます。今後もみなさまの声をお聞きしながら事業を推進して参ります。

 

柏浮田道路イメージ

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