インタビュー/胆振総合振興局・日高振興局

インタビュー/胆振総合振興局・日高振興局

河川改修や砂防の防災・減災対策で地域の安全・安心確保

北海道 胆振総合振興局
副局長(建設管理部担当)
兼 日高振興局 副局長
沼上 仁

―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください

沼上 本年度は、日高幌内川や厚幌ダムの一日も早い復旧・復興へ向けて、災害復旧事業に鋭意取り組むとともに、市町や関係団体など、地域の方々との対話を重ね、交通ネットワークの整備や、地域の安全・安心を確保するための河川改修や砂防等の防災・減災対策に取り組みます。

また、既存ストックを有効活用し、道路管理施設等の長寿命化を推進してまいります。

そして、職員一人ひとりが活躍できる環境づくり、風通しのよい職場づくりを進め、職員一丸となって課題に取り組み、道民に信頼される組織づくりを進めてまいります。

道路事業(登別港線・蘭法華トンネル)

―― 本年度の予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産の向上や観光振興、環境整備事業や防災対策をお伺いします

沼上 胆振及び日高管内では、室蘭市や苫小牧市を中心とした工業、洞爺湖や登別温泉を中心とした観光業、地域ごとに特色ある農業や水産業、日高の軽種馬生産など、多種多様な産業が展開されています。

これらの地域産業を支える基盤整備として、観光や物流に欠かせない交通ネットワークや水産物供給基地である漁港の整備を進めていきます。

道路事業では、国道36号線を補完し、市民生活や物流等を支えている登別港線で、狭隘で老朽化が進んでいる蘭法華トンネルの拡幅工事を推進するほか、樽前錦岡線の錦岡跨線橋などで長寿命化対策を実施し、安全で安心な交通ネットワークの確保を図るとともに、東通(登別市)などで道路の拡幅や歩道を設置する街路事業を推進します。

漁港事業では、富浜漁港や静内漁港、イタンキ漁港の整備を進めるほか、礼文漁港や厚賀漁港等で老朽化対策を推進し、水産物供給基地としての漁港づくりを進めます。

また、管内には有珠山等の活火山や土砂災害危険箇所が二千箇所以上あるほか、海岸線も東西に長く、大雨や波浪による災害が非常に多い地域であり、重点的な防災・減災対策が必要です。

このため、緊急時のハード対策に備えたブロックを備蓄するとともに、地域住民の避難行動に向けた防災情報を提供するための監視体制を整備します。

有珠山では、一時、火山性地震が多い状態となっておりましたが、噴火の際に火砕サージの影響を回避して避難や物流を確保するため、滝之町伊達線(有珠山外環状線)のバイパス整備を推進します。

治水対策では安平川の改修において、河道調整地の周囲堤工事に着手するほか、鉄道橋の架替や、近年豪雨で浸水被害が発生した真沼津川、はん濫危険水位を超過した気門別川等で河川事業を推進します。

また、土砂災害対策では平成29年に土砂・流木被害が発生した紋別川や、流域荒廃により土砂災害が発生する恐れがあるトマチャナイ川などで砂防事業を推進し、洞爺川東などで急傾斜地崩壊対策事業を推進するほか、波浪対策では、黄金海岸や虎杖浜海岸で侵食対策としての離岸堤整備を推進します。


沼上 仁 ぬまかみ・ひとし
紋別郡遠軽町出身
昭和61年3月 北海学園大学工学部土木工学科 卒業
昭和61年6月 北海道庁入庁
平成22年4月 オホーツク総合振興局 網走建設管理部建設行政室 入札契約課 主幹
平成24年4月 渡島総合振興局 函館建設管理部 事業室 道路課長
平成25年4月 建設部 まちづくり局 都市環境課主幹兼ねて総合政策部 地域行政局 市町村課
平成27年6月 建設部 参事(登別市役所派遣)
平成29年4月 建設部 まちづくり局 都市計画課新幹線基盤支援担当課長
平成30年4月 建設部 まちづくり局 都市環境課公園下水道担当課長
令和元年6月 建設部 まちづくり局 都市環境課長
令和元年8月 兼ねて 環境生活部 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 まちづくり担当課長
令和3年4月 胆振総合振興局 副局長(建設管理部担当)兼ねて 日高振興局 副局長

北海道 副局長カテゴリの最新記事