インタビュー/北海道 後志総合振興局 副局長(建設管理部担当) 角原 英人

インタビュー/北海道 後志総合振興局 副局長(建設管理部担当) 角原 英人

交通ネットワーク整備で観光振興や強靭な地域づくり推進

北海道 後志総合振興局 副局長(建設管理部担当)
角原 英人

―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください。

角原 後志管内は、羊蹄山やニセコ連峰など美しい山々や清流で知られる尻別川など雄大な自然環境や豊富で新鮮な食などの魅力を有しており、国内外から多くの観光客が訪れる道内有数の観光エリアとなっています。一方で、山間部や海岸部で急峻な地形が多く、豪雪地帯でもあることから、災害リスクの高まりや災害発生時の被害の甚大化が想定されています。

道では、近年頻発する大規模自然災害から住民の生命と財産を守るため、北海道強靱化計画を策定しており、小樽建設管理部においてもハードとソフトが一体となった治水対策や、個別施設の長寿命化計画に基づく老朽化対策など、強靱な地域づくりを推進してまいります。

堀株川 改修事業

―― 令和4年度予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興、環境整備事業などの取組をお伺いします

角原 高速交通ネットワークの整備により、観光や産業の振興に大きな効果が期待できることから、北海道新幹線延伸に向けたトンネル工事や高規格道路の計画・建設が進められているところです。これらは後志管内のみならず、全道の経済活性化に繋がるものであり、関連する事業について昨年度に引き続き推進してまいります。

道路事業では、災害時において泊原子力発電所から円滑な避難を行うため、道道泊共和線を整備中であり、茅沼1号橋上部工及び、茅沼1号トンネルの工事を進め、事業の早期完成を目指します。また、災害に強い交通ネットワーク機能を確保するため、道道小樽定山渓線の地すべり対策などを実施します。このほか、安全で安心な道路通行を持続的に確保するため、道道古平神恵内線などで橋梁補修やトンネル補修などの老朽化対策を実施します。

河川事業では、住民の生命や財産を洪水から守るため、尻別川、堀株川、余市川などにおいて流下能力が不足している箇所の河道掘削などの整備を進めるとともに、昨年に引き続き、減災対策協議会の場を通じて現状の水害リスク情報や河川の整備状況等を共有するなど、国や市町村との連携強化を図りながら、減災対策に取り組みます。

砂防急傾斜事業では、土砂災害警戒区域等に指定されている泊村の泊村16などの急傾斜地崩壊防止対策を実施するとともに、珊内川や太田の沢川の砂防えん堤の整備を進めます。

海岸事業では、高潮や高波などから沿岸地域を守るため、野塚海岸の護岸補強や古平漁港海岸の護岸嵩上げなどの整備を進めます。

水産基盤整備事業では、水産物の安定供給を図るため、これまで総合的かつ計画的に施設整備を実施してきたところですが、近年、整備後の施設の老朽化とともに更新を必要とする施設が増加してきていることから、千走漁港などにおいて施設機能の保全対策を進め長寿命化を図ります。

泊共和線(茅沼工区)
角原 英人 かくはら・ひでと
奥尻町出身
昭和63年 北海道大学卒
平成26年4月 建設部まちづくり局都市計画課主幹
平成28年4月 稚内建設管理部事業室地域調整課長
平成29年4月 稚内建設管理部事業室長
令和元年6月 建設部まちづくり局都市計画課長
令和3年4月 後志総合振興局副局長(建設管理部担当)

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