産業界の物流を支える道路網の整備や防災・減災対策の強化
北海道 空知総合振興局 副局長（建設管理部担当）
兼 石狩振興局 副局長 金澤 克人
―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください
金澤 札幌建設管理部は空知総合振興局・石狩振興局の32市町村を所管区域としています。管内には、北海道全体の半分に当たる268万人が暮らしているほか、道外や海外からの旅行客を受け入れる北海道の玄関口である新千歳空港を擁するなど、北海道経済の中核をなす地域と認識しております。
このため、交通ネットワークの整備に当たっては地域の皆様の快適な利用環境確保に務めることはもとより、北海道の主要産業である農業をはじめとした各産業界の物流を支える道路のほか、炭鉱遺産や「そらちワイン街道」沿いのワイナリーなど多くの地域資源を活かした観光振興に寄与するための道路網の整備を今まで以上に進めて参ります。
また、地球規模の気候変動を主因とする激甚化、頻発化する大規模自然災害に備える防災・減災の取組は大変重要な課題であり、地域の皆様の安全・安心な暮らしを確保するため、河川改修や砂防工事を強力に推し進めて参ります。
―― 本年度の予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興・環境整備事業や防災対策をお伺いします
金澤 南空知地域と上川南部地域の短絡ルートとなる美唄富良野線では、通行不能区間を解消し、農産物流の効率化支援や観光アクセス向上を目的に事業を進めています。
「そらちワイン街道ワイナリーロード」を形成する恵庭栗山線は、当該路線を経由し、国道337号と連携し札幌圏へアクセスする物流・生活基盤等を支える重要な路線ですが、夕張川を横過する馬追橋では、供用開始から60年以上を経過しており、老朽化に伴う架け替えを進めています。
きたひろしま総合運動公園線は、北海道日本ハムファイターズのボールパーク(BP）における新設のアクセス道路です。
BP開業に伴い、周辺の幹線道路において交通渋滞が懸念されることから、BPへアクセス道路を新設整備することで、周辺道路の交通分散を図るものです。
今年度の開通を目指し、関係機関と連携を図り、環境にも充分配慮しながら整備を進めて参ります。
次に防災対策ですが、主なものとして、岩見沢市を流れる利根別川については、昭和41年の洪水を契機として支川の東利根別川とともに河川改修を行ってきました。平成24年の洪水により、他の支川である南利根別川、ポントネ川で浸水被害が発生したことから、利根別川流域における市街地の一貫した治水安全度を確保するため、両支川も含めて河川改修を実施しています。引き続き利根別川と東利根別川の整備を進めるとともに、今年度からはポントネ川の遊水地整備を進め、地域の安全・安心のより一層の向上に取り組んで参ります。
