寄稿/四国地方整備局 四国山地砂防事務所

寄稿/四国地方整備局  四国山地砂防事務所

平成30年7月豪雨による土砂災害の対応について

国土交通省 四国地方整備局 四国山地砂防事務所

 

ドローンで撮影した崩壊状況(高知県大豊町立川上名 仁尾ヶ内)

平成30年7月豪雨では、梅雨前線と台風の影響により日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続け大雨となり、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となりました。四国地方の広い範囲で総雨量300mm~1,200mm以上に達し、7月平均降水量の約2倍~5倍近くに達しました。高知県大豊町立川では、大規模な山腹崩壊が複数で発生し、流出した大量の土砂により、高知自動車道新宮IC~大豊ICにおいて、上り線の立川橋の橋桁が流される被害等が発生しました。

立川川流域では、この豪雨による崩壊土砂量は約136万m3と推定され、不安定土砂による土砂・洪水氾濫による人家被害、道路や橋梁等インフラ施設の被害等を防止するため、平成30年から国直轄による特定緊急砂防事業として、集中的に砂防設備の整備を実施し、甚大な土砂災害が発生した地域の災害防止対策を実施しています。

仁尾ヶ内箇所は、立川川上流域に位置し、この豪雨により最大日雨量510mm、最大時間雨量76mm/hを記録しました。町道が崩壊するとともに、地すべりによって通行不能となった集落が孤立したため、斜面崩壊対策を目的とした地山補強対策工事として、令和3年度より工事へ着手しました。

仁尾ヶ内法面対策工事の現場では、令和3-4年度の工事において法面工事で使用されるICT技術を活用して施工するとともに、遠隔臨場、安全教育VRシステムなどの体験学習会を受注業者の協力のもと開催しました。続く、令和4-5年度の工事では、砂防土工(マシンガイダンス)について、3次元起工測量、3次元設計データ作成、ICT建設機械による施工を実施しています。

土石流による家屋被害の状況(高知県大豊町立川下名 浦ノ谷川)
TEC-FORCE による被災状況調査(高知県大豊町立川上名 小谷)

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