国土交通省 四国地方整備局 中村河川国道事務所長 須田 泰造

国土交通省 四国地方整備局 中村河川国道事務所長 須田  泰造

中村河川国道事務所の事業概要

国土交通省 四国地方整備局
中村河川国道事務所長 須田 泰造

1.中村河川国道事務所及び道路事業の概要

四国8の字ネットワークの整備

中村河川国道事務所は、高知県西南部に位置し、河川では四万十川及び四万十川の一次支川である後川、中筋川の改築・管理、道路では高知市を起点に松山市を結ぶ国道56号のうち、高岡郡中土佐町と四万十町の町境から高知と愛媛の県境までの改築・管理を担当しています。

国道56号は、四国西南部唯一の幹線道路ですが、変化の多い海岸線や山岳地帯を通過しているため、線形不良や落石・法面崩壊などの発生が危惧される箇所が数多く存在します。また、南海トラフ巨大地震の際に幡多郡黒潮町では最大34mの津波が想定され、国道56号の多くが浸水すると予測されています。

四国西南地域における四国8の字ネットワークの整備状況

これらの課題を回避するため、最も注力している道路事業が四国8の字ネットワークの整備です。四国8の字ネットワークとは、四国四県を結ぶ将来の高速交通ネットワークの愛称で、この高速交通ネットワークが“8の字”を描くことから名付けられました。

当事務所では、窪川佐賀道路、佐賀大方道路、大方四万十道路、宿毛内海道路(宿毛新港~一本松)を担当しており、令和5年度は窪川佐賀道路において、調査設計、用地買収、トンネル、橋梁架設、改良工事、佐賀大方道路では、調査設計、用地買収、改良・橋梁工事、大方四万十道路では、調査設計、用地調査・用地買収、令和4年度に新規事業化しました宿毛内海道路(宿毛新港~一本松)では、調査設計を推進します。

国道56号窪川佐賀道路の進捗状況(平串・富岡地区)
国道56号窪川佐賀道路の進捗状況(見付地区)

2.期待される整備効果

四国8の字ネットワークの延伸により国道56号の交通難所や災害危険箇所が回避され、信頼性の高い緊急輸送道路が確保されるとともに黒潮町役場などの地域の防災拠点と連絡することで防災機能の強化が図られます。

また、幡多地域から高知市や大消費地を結ぶ空港への速達性及び輸送効率などの改善により、これまでも幡多地域の養殖マグロや清水サバなどのブランド魚の出荷が増加傾向にあります。宿毛市では新たな水産加工場も新設され、地域ブランド魚の更なる販路拡大、商品価値向上に伴う地産外商が期待されます。さらに、沿線地域において、新たな観光施設の立地やリニューアルオープン等による観光入込客数も増加傾向にあり、幡多地域の観光活性化に寄与しています。

3.おわりに

中村河川国道事務所では、地域の安全・安心・魅力向上の実現に向けて河川・道路の管理はもとより改修・改築事業を推進しています。引き続き、8の字ネットワークなどの早期整備に努めて参りますので、今後ともご協力の程よろしくお願い致します。

幡多地域のブランド魚の販路拡大を支援
幡多地域の観光が活性化

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