北海道局関係予算要求概要

北海道局関係予算要求概要

概算要求要望額8444億3100万円(前年比21%増)、
北海道開発事業費は6780億3000万円の要求

―― 食と観光を戦略的産業に位置付け、「減災・防災と国土強靭化」推進

 

はじめに

北海道開発予算は、北海道の資源・特性を活かし、国の発展に寄与することを目的、国が策定するビジョン。北海道総合開発計画に基づき諸施策を推進してきた。
国土交通省北海道局は今年8月、令和4年度の「北海道局関係予算要求概要」をまとめた。

それによると、現在進めている“第8期北海道総合開発計画(平成28年3月29日閣議決定)”では「世界の北海道」を目指すとして、北海道の強み「食」「観光」を戦略的産業として位置づけ。食と観光を担う「生産空間」の維持発展に取り組んでいる。

一方で、近年の大規模自然災害の激甚化・頻度化により、地域住民等の安心・安全が大きく損なわれている。

このため、令和4年度予算概要には、命と暮らしを守る“防災・減災、国土強靭化”をさらに推進する事が重要と位置づけて、①強靭で持続可能な国土形成 ②食と観光を担う生産空間の維持・発展 ③「民族共生象徴空間(ウポポイ)等を通じたアイヌ文化の復興・創造及び国民理解の促進。を重点事項とし、「新たな成長推進枠」を最大限活用した一括計上予算として要求・要望することにした。 その結果、令和4年度北海道開発予算要求額は総額で6,901億3400万円(対前年比21%増)とした。(内、新たな成長推進枠は1,719億円)

その内、一般公共事業費に当たる令和4年度北海道開発事業費は6780億3000万円で前年比21%増となった。

主な事項別事業

■治山治水事業費は1206億500万円で前年比18%増を要求した。その内治水に1113億8900万円を要求し、北海道胆振東部地震からの被害を受けた日高幌内川の対策工として砂防堰堤工や水路工による施設の恒久対策を図る。また、厚真ダムなど本復旧を推進。

また、気候変動に伴う水害・土砂災害の激甚化・頻度化に備え、幾春別川の洪水被害軽減で新桂沢ダム、三笠ポンベツダムの建設を推進する。石狩川下流域の治水対策では北村遊水地の整備事業推進や雨竜川ダム、佐幌ダム再生事業実施計画の着手や十勝川水系戸鳶別川第2号砂防堰堤、樽前山覚生川2号砂防堰堤の整備を推進。

■道路整備事業費は道路環境整備を合わせ2884億5000万円で前年比20%増となる。食・観光等の基幹産業を支え、国土強靭性を確保し、地域間連携強化を図るため高規格道路ネットワークの整備を推進する。観光地や空路への定時制・速達性を向上させる高規格道路整備で北海道横断自動車道(本別~釧路)阿寒IC~釧路西IC間、旭川十勝道路(旭川東神楽線)。地域活性化ICとして釧路空港IC(仮称)の整備を図る。また、十勝北部地域で北海道横断自動車道(足寄~陸別)事業再開。

■港湾空港整備鉄道事業は364億2000万円で前年対比52%増を要求。
世 界水準の観光地形成として国内外の観光客受け入れ強化で新千歳空港の誘導路の複線化や滑走路端近傍のデアイシングエプロン整備を推進。、函館空港の施設整備推進。クルーズ船受け入れ港として函館港、小樽港の環境整備を推進。また、国内物流機能強化・安全性確保図るため、苫小牧港、釧路港、石狩湾新港等の整備を推進。

■農林水産基盤整備として、1430億7300万円で前年比21%増額を要求。
農業の労働力不足に対応し食料供給力強化事業として、農地の大区画化や汎用化、排水改良の整備とスマート農業等新たな技術導入により、大幅な省力化と低コスト化、高収益作物の生産拡大による収益化の向上に向けた取り組みを推進する。また、農業水利施設の戦略的な保全管理、耐震化や洪水被害防止対策の推進。
一方、水産基盤整備では、水産物の流通・生産性強化、高品質化のため、海域の生産力向上、水産環境整備を推進する。取組として、水産業の競争力強化と輸出促進に寄与するため、屋根付き岸壁等施設整備と併せた高度衛生管理対策を推進する。


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