豊頃町 豊頃中学校改築事業

豊頃町  豊頃中学校改築事業

小・中一貫義務教育を見据えた校舎・施設設計

―― 校舎・屋体の合築構造と渡り廊下で小学校と連結

外観イメージ

はじめに

十勝管内・豊頃町は、明治13年(1880年)の開町で140年以上の歴史を有する町である。明治中期以降の開拓に大きな役割を果たしたのが福島県から入植した二宮尊親(二宮尊徳の孫)である。尊親は祖父から引き継いだ「報徳のおしえ」の実践を基に農場づくりを行った。以来、その精神は同町の“町民憲章”や“教育大綱”など、まちづくりの基本となっている。

施設建設の経緯

平成28年4月に学校教育法の一部改正により9年間の義務教育を一貫して行う「義務教育学校」の設置が可能となったことから、同町では学校教育環境の在り方について検討委員会による調査・検討に着手することになった。

同町で唯一の中学校“豊頃中学校”は、昭和50年に建築され、築50年近く経過し老朽化が進んでおり適時修繕を行っているが、将来的には多額の維持補修費が予想されていた。また、同町にある小学校2校の中心校である豊頃小学校については、平成3年建築で設備環境は問題ないが、特別支援教育の充実等により教室数の不足が課題となっていた。

そこで、同町の児童・生徒数の推移、教育施設の現状などを考慮し、将来の義務教育において、9年間の義務課程に位置付けられている「報徳のおしえ」を基盤とする小・中連携教育を推進していることを踏まえ、小・中一貫教育を効果的・効率的に実施可能とする学校施設整備を目指すことになり、中学校舎の改築を行うことになった。建設地は豊頃小学校の有効活用などを見据えて併設することになった。

多目的スペース

施設の特徴

校舎と屋内運動場等の合築構造で中学校と小学校の校舎は、1階・2階とも幅4mの渡り廊下で接続される。連結された廊下沿いには児童生徒、教職員がふれあう空間として多目的スペースを設置している。また、2階廊下のアリーナ側には大きなガラス窓を設け、屋内運動場の様子がうかがえるようにした。
なお、新設の中学校の特別教室やアリーナ部分、既設の小学校校舎の児童生徒の昇降口やホール、特別教室、屋内運動場など施設は小学校と共用することになる。

今後の計画

小学校校舎については令和5年度に改修工事を予定、施設の長寿命化を図る。


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