インタビュー/北海道 十勝総合振興局 副局長(建設管理部担当) 鷲尾 亨

インタビュー/北海道 十勝総合振興局 副局長(建設管理部担当) 鷲尾 亨

災害に強い地域づくりで基幹産業の農業・食や観光を支える

北海道 十勝総合振興局 副局長(建設管理部担当)
鷲尾 亨

―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください。

鷲尾 十勝管内は、振興局の中で最も広い面積を有し、特に農業は本道において中心的な地域であり、自然や産業を活かした“観光”や地元食材を使った“食”が大きな魅力となっています。

このような基幹産業である農業や“食”、“観光”を支えるため、「食料供給と産業を支える交通ネットワーク形成」などの取り組みを進めて参ります。

また、近年は各地で異常気象による災害が発生しており、管内でも2016年8月の台風等による大雨により、極めて甚大な被害が発生しました。建設業界の皆様と一丸となり復旧に全力で取り組み、昨年度、被災した全ての管理施設の復旧を完了したところですが、こうした過去の豪雨災害などを教訓に、地域住民の生命や財産を守るため、引き続き、安全・安心が実感できる「災害に強い地域づくり」に向けて治水対策や土砂災害対策、緊急避難路の整備などを進めて参ります。

このほか十勝総合振興局では、「ゼロカーボン北海道」の実現に向けて、昨年12月、関係機関の皆様とともに「ゼロカーボン北海道 十勝宣言」を表明しました。

引き続き、十勝の持続的発展を願い、SDGsのゴールにもつながる「誰もが、今すぐ取り組むことができる日常のゼロカーボン行動」を実践して参ります。

芽室川砂防事業(流木補足工)

―― 本年度の予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興、環境整備事業や防災対策をお伺いします

鷲尾 治水事業では、2016年の大雨被害を踏まえ、利別川広域河川改修事業や芽室川砂防事業により浸水被害の軽減を図るほか、佐幌ダム再生事業では、佐幌川における治水対策として、既存ダムを運用しながら、かさ上げによるダムの機能向上を計画しています。

道路事業では、北海道横断自動車道や帯広・広尾自動車道の整備促進にあわせたインターチェンジへのアクセス道路や、帯広圏域環状道路唯一の未整備区間である幕別帯広芽室線のバイパス道路など、幹線道路ネットワークの整備を進めるほか、熊牛御影線橋梁架替事業など老朽化の進む施設の計画的な更新・修繕を行い、地域の強靱化対策を推進しています。

そのほか、ナショナルサイクルルートである「トカプチ400」の魅力向上のため、自転車通行環境の整備・維持にも取り組んで参ります。

最後に、事業の推進にあたっては建設業界における働き手の減少が大きな課題となっていますので、「早期発注」、「フレックス工期の活用」等による施工時期の平準化や「発注ロットの大型化」、「週休2日モデル工事」などを実施し公共工事の円滑な施工の確保を図ることで、各企業の経営環境の改善が進むよう、引き続き、建設産業との連携を強化して参ります。

熊牛御影線(十勝橋架換工事(下部工))

 

鷲尾 亨 わしお・とおる
昭和43年12月16日生、旭川市出身
平成5年3月 北海道大学大学院工学研究科土木工学専攻修了
平成5年4月 旭川土木現業所(採用)
令和元年6月 空知総合振興局札幌建設管理部事業室地域調整課長
令和2年4月 空知総合振興局札幌建設管理部事業室長
令和3年4月 建設部建設政策局建設政策課交通基盤担当課長
令和4年4月 十勝総合振興局副局長(建設管理部担当)(現職)

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