インタビュー/北海道 宗谷総合振興局 副局長(建設管理部担当) 相原正樹

インタビュー/北海道 宗谷総合振興局 副局長(建設管理部担当) 相原正樹

災害対策で地域の安全・安心確保と主要幹線道路アクセス強化

北海道 宗谷総合振興局 副局長(建設管理部担当)
相原 正樹

―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください

相原 宗谷地域は、利尻礼文サロベツ国立公園などの雄大で美しい自然を有し、基幹産業の水産業や酪農は道内有数であり、食や観光資源も豊富な魅力ある地域であることから、こうした産業や観光を中心に振興を図っていくことが重要と考えております。

また、近年稚内市内をはじめ、利尻・礼文等で大雨による災害が頻発し、防災・減災対策の重要性が高まっているほか、広域救急医療に資する交通アクセスの改善が課題となっています。

稚内建設管理部は、地域の特性を活かした産業を支えるとともに、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を踏まえ、地域の方々の安全安心な暮らしの確保に向け、課題を的確に捉え、関係自治体や建設業界の皆さまと連携を図りながら、社会資本整備の推進ならびに適切な維持管理や防災対応に取り組んでまいります。

クサンル川総合流域防災工事(補正)(繰越)

―― 本年度予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興・環境整備事業や防災対策をお伺いします

相原 道路事業では、国道40号などの主要幹線道路へのアクセス強化と通年の安全確実な交通確保を図るため、抜海港線の現道拡幅を行うとともに、道路の防災機能の向上や通行空間の安全性・快適性の確保を目的に、稚内天塩線の無電柱化を行います。

また、離島では道道が唯一の幹線道路であることから、防災対策や観光支援に主眼を置き、安全で快適な通行空間の確保のため、沓形仙法志鴛泊線や礼文島線の整備に取り組むほか、通学路の安全確保を目的に、稚内幌延線で歩道拡幅等の事業を推進します。

河川整備では、近年浸水被害が発生している、稚内市街地を流れるクサンル川でJR橋上流部の暫定断面掘削を行っているほか、北見幌別川などにおいて河道掘削を進めてまいります。

土砂災害対策では、利尻島のオチウシナイ川などにおいて土石流による土砂災害を防止するため、砂防堰堤を整備するほか、礼文島のトンナイ川において工事着手に向けた調査設計を推進します。

空港事業では、航空機の安全運航に必要な滑走路端安全区域の拡張を目的として、利尻空港で滑走路端造成工事に着手します。

漁港事業では、水産物の衛生管理の向上や漁港利用者の就労環境の改善を図るため、浜鬼志別漁港や音標漁港などにおいて防波堤や護岸等の整備を推進するとともに、頓別漁港や差閉漁港などにおいて、施設の長寿命化対策を推進するなど漁港施設の維持・保全を計画的に実施します。

宗谷ふれあい公園では、公園利用者の安全確保と施設の老朽化や維持管理費縮減等の課題に対応するため、長寿命化計画に基づいた再整備工事及び各施設の修繕工事などを行います。

礼文島線砂防連携工事(落石対策)起登臼工区

 

相原 正樹 あいはら・まさき
函館市出身
昭和62年3月 北海道大学工学部土木工学科卒業
昭和62年4月 室蘭土木現業所登別出張所
平成24年4月 建設部空港港湾局物流港湾課主幹
平成25年4月 総合政策部交通政策局物流港湾室主幹
平成26年4月 水産林務部水産局漁港漁村課主幹
平成27年6月 小樽建設管理部地域調整課長
平成28年4月 小樽建設管理部事業室長
平成30年4月 水産林務部水産局漁港漁村課長
令和3年4月 現職

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