インタビュー/後志総合振興局

インタビュー/後志総合振興局

自然災害から地域住民の安心・安全な暮らしを守る社会資本整備や交通ネットワークの機能整備を推進

 

北海道 後志総合振興局 副局長(建設管理部担当)
越智 通浩

 

―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください

越智  近年の気候変動により、全国的に自然災害が頻発し、多様化、局地化、激甚化しており、いつどこで何が起こっても不思議ではない状況となっています。

後志管内は、山地や海岸部で急峻な地形が多く、豪雪地帯でもあることから、大雨や土砂災害に加え、高波、暴風雪、地震、津波などから、住民の安全・安心な暮らしを守る施設をはじめ、災害に備えた社会資本整備を着実に進めると同時に施設の維持管理、災害などに対する危機管理対応を適切に行っていきます。

さらに、後志管内では、北海道新幹線や北海道横断自動車道などの高速交通ネットワークの整備が急ピッチで進められており、小樽建設管理部では、こうした整備の供用効果を高めるための、交通ネットワークの機能強化に向けた道路整備を進めていきます。

泊共和線

小樽定山渓線 地すべり対策

―― 安全で安心な地域づくりや防災対策強化に向けた取組みについてお聞かせください

越智 道路事業では、泊原子力発電所の避難道路である道道泊共和線について、茅沼1号橋上部工及び、茅沼1号トンネルの工事に着手します。このほか、災害に強い交通ネットワークを確立するため、道道小樽定山渓線の地すべり対策や、道道京極倶知安線で防雪柵を設置するなど、安全で円滑な道路通行を確保します。

河川事業では、住民の生命や財産を洪水から守るため、堀株川、尻別川、朱太川などで河道掘削や護岸、堤防天端舗装などの整備を進めるとともに、昨年に引き続き、減災対策協議会の場を通じて現状の水害リスク情報や河川の整備状況等を共有するなど、市町村との連携強化を図りながら、減災対策に取組みます。

砂防急傾斜事業では、土砂災害警戒区域に指定されている泊村の泊泊村16などの急傾斜地崩壊対策工を実施するとともに、珊内川や太田の沢川の砂防えん堤の整備を進めます。

海岸事業では、美谷海岸や大川海岸の高潮対策事業等を実施します。

朱太川 広域河川改修事業

泊泊村16急傾斜地崩壊対策事業

 

―― 令和2年度予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興、環境整備事業などの取組みをお伺いします

越智 後志管内は、大消費地である札幌圏に隣接しているなどの特性を活かし、農業では、水稲、畑作物・野菜、果樹など幅広い生産活動が行われています。

また、観光では、風光明媚な景観、優れた雪質のスキーリゾートなど多くの観光資源に恵まれており、道内有数の観光エリアとなっています。

当部では、農水産物の生産拠点と消費地を結ぶ物流ネットワーク機能を強化する道路の整備や、観光地の交通利便性を向上させる観光ネットワークの整備を推進します。

後志の漁村地域においては、漁業就労者の高齢化、水産物の市場価格の下落など水産業の低迷が続いており、安定した資源づくりや、経営体質の強化など、魅力的でやりがいのある地域産業としての取組みが必要となっていることから、島牧村の厚瀬漁港の防波堤延伸や神恵内村の神恵内漁港などの施設機能を保全する事業を実施します。

―― 社会資本整備事業の担い手として地域社会に貢献している建設業界へ要望・期待などお聞かせください

越智 住民の安全安心な暮らしを守るため、また、地域の経済や産業を支えるため、社会資本の整備は大変重要です。この社会資本を将来にわたり持続していくには、災害に強い施設整備に加え、道路や治水施設の適切な維持管理や迅速な災害対応が必要であり、そのためには、地元に精通した建設業の皆様方の協力が不可欠で、民間や行政の力を結集しながら、地域の防災力を高める事が重要であると考えます。

今世界は、新型コロナウィルスの影響で未曾有の状況となっていますが、今後も協会の皆様とはより一層連携を強化し、ともに地域を支えていきたいと考えています。

尻別川 広域河川改修事業

厚瀬漁港 防波堤延伸事業


越智 通浩 おち・みちひろ
昭和36年10月10日生まれ、札幌市出身
昭和59年千葉工業大学卒
平成20年4月1日 小樽土木現業所道路建設課長
平成22年4月1日 建設部まちづくり局都市環境課主幹
平成24年4月1日 宗谷総合振興局稚内建設管理部 事業室長
平成25年4月1日 日本下水道事業団北海道総合事務所長
平成27年6月1日 建設部まちづくり局都市環境課公園下水道担当課長
平成30年4月1日 建設部まちづくり局都市環境課課長
令和元年6月1日 後志総合振興局副局長(建設管理部担当)

北海道 副局長カテゴリの最新記事