路地裏問答/2020年8月

路地裏問答/2020年8月

韓国北東部の江原道平昌にある民営施設「韓国自生植物園」内に、慰安婦像とそれに額づく安倍首相の像が製作され、7月26日に発表された。言うまでもなく、日本政府は菅官房長官が28日の記者会見で「国際儀礼上、許されない。仮に報道が事実とすれば、日韓関係に決定的な影響を与えることになる」と非難した。

朝日新聞の28日付報道によれば、この像は「永遠の贖罪」とのタイトルで、この施設の金昌烈園長は、朝日新聞の取材に「韓国に少女像は多いが、責任ある人が謝罪する姿の像を造ればさらに良いと考えた」と回答したという。像には安倍首相の名は明記されていないが、見れば明らかに首相を模した造形で、言い逃れはできまい。

同園長の説明では、この像は2018年にはすでに完成していたが、火災により休園していたため、この6月の再オープンを機に設置された模様だ。

韓国といえば、セウォル号事件の際に、遺族のみならず無関係の民衆までが見せた、あまりにも世界常識に外れた醜い振る舞いの数々に、見かねたフランシスコローマ法王が「韓国人は倫理的・霊的に生まれ変わるべき」と、異例のコメントを発表した。

つまりは、人としての基本的な倫理が絶望的に崩壊しているため、教義を以てしても救いようはないと、世界中のキリスト者の頂点にある指導者から見放されたのである。韓国はキリスト教徒も多いが、これに反発してか、椅子に座った韓国人の足に、法王が額づいて接吻する像を作るといった、まさに狂気そのものと言えるリアクションを見せた。だが、この時は法王庁からのコメントは無かった。足への接吻そのものは、宗教的儀礼行為の一部と見なされたため、黙殺したのである。

しかし、今回はまるで意味は異なる。そもそも謝罪する必要のない行為を、執拗に要求してきた韓国による嫌がらせであり、一国の指導者に対する侮辱行為に他ならない。公明党の山口代表も「既に日韓では政府間で合意された上で対応してきた経過があり、それとは逆方向で荒立てていくことは遺憾」と、記者会見でコメントした。

だが、ネットでは相変わらずインパクトのない政府の「遺憾」表明に失望する声が多い。現在、米中が戦争状態に突入しているが、ポンペオ国務長官による7月23日のカリフォルニアでの歴史的演説では「習近平総書記は、破綻した全体主義のイデオロギーの信奉者」とし、「いま行動しなければ、中国共産党はいずれ我々の自由を侵食し、自由な社会が築いてきた規則に基づく秩序を転覆させる」とまで言い切っている。

つまり中国共産党の独裁体制はデモクラシーの敵と宣言し、世界の民主主義陣営に打倒中国を呼びかけ、自らも強固な経済制裁に着手するほか、中国総領事館の閉鎖にまで踏み切っている。これにイギリス、豪州らも呼応して、着実に中国包囲網を構築している。今秋に予定されるG7では、どんな対中声明が発表されるのか、目が逸らせない動静だ。

転じて、指導者が侮辱された日本政府は、どうするのだろうか。今後も口先では「遺憾」を繰り返し、輸出管理強化だけで済ませるのだろうか。何に遠慮しているのかは不明だが、政府がこれまでも見せてきた弱腰対応は、実は国民をも危険に晒すことになりかねない。なぜならば「どうせ日本は、何をしても黙っているから、何をしても良い」とやりたい放題だった韓国民の矛先が、政府だけでなく日本国民に向けられかねないのである。

そしてそれらを助長するのが、日本国内にあって、日本国の経済・福祉の恩恵を受けながらも日本の国体を否定し、日本人の国民性を批判する反日主義の危険思想家であり、日本にとっては獅子身中の虫である。日本は政府も国民もともに、こうした国家と国民の健全な暮らしを阻害する害虫を、そろそろ強硬手段を用いてでも排除しておく必要がある。さもなければ、彼らの卑劣にして貪欲で愚かな攻撃により、次代にまでも不毛な労苦と損害を引き継ぐことになりかねない。

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