路地裏問答【2021年11月】

路地裏問答【2021年11月】

路地裏問答

10月26日を以て、眞子内親王は小室眞子という一人の民間女性と同時に、一人の主婦となった。婚約者の親族の金銭問題、人間関係にまつわる黒い噂、留学中の学費に絡む危ない噂など、様々に週刊誌が喜びそうな話題が満載であったため、皇族の婚姻という慶事でありながら、国民の間にはすっきりしないものが残る前代未聞の門出となった。

ネットでは議論が百出し、Yahooニュースでは批判や誹謗コメントが3,000件を超えたため、閲覧を停止したほか、マスコミ報道も過熱し、およそ3年の離別中には、ネットで日々連絡を取り続けた二人について、桃色めいた情報までが飛び出す始末である。この結果、眞子内親王は複雑性PTSDを患うまでに追い詰められた。

何よりも問題を深めたのは、小室氏に関する真の情報が不足し、その分、スキャンダラスな怪情報が飛び交った状況を放置してしまったことだろう。中には皇室に接近するための工作といった、陰謀めいた話まで聞かれる。本来は皇室を監視する宮内庁が、小室氏に関する調査を行い、対処すべきではなかったかというのが、多くの国民の思うところではないだろうか。

二人の出会いは、小室氏からの声がけであったという。声がけと言えば聞こえは良いが、俗にいうナンパであったとのこと。素性の分からぬ者の軽薄な接近を、宮内庁は放任していたのだろうか。

しかし、惚れた者の弱味というべきか、眞子内親王は一途に小室氏を庇うため、宮廷内では親子間の口論も絶えなかったと伝えられる。秋篠宮殿下も、実父としてやり切れなかっただろう。日々、深酒に溺れていたとも伝えられる。娘を手放す父親の尋常ならざるやるせなさは、皇族も庶民も同じであるから無理もない。

一方、親から反対され、国民から疑問視され、孤立を深める眞子内親王だったが、唯一の理解者は実妹の佳子内親王であった。皇族であるが故に、恋愛、婚姻が制約される女性としての共感があったため、姉を庇う立場に立っていたという。

しかしながら、世間がいかに騒ごうと、「自分たちの心を大切に守りながら生きていくために、必要な選択」への意思は曲げられることはなかった。かくして、秋篠宮殿下も紀子妃殿下も婚姻を承諾したが、納采の儀を行わなかったのは、本意ではないことの表れだろう。一方、眞子内親王も1憶4,000万円の準備金を辞退する異例の展開で決着を見た。

実の両親が承諾したのだから、今さら余人たる国民がとやかくいうべき話ではあるまい。とはいうものの、門出の朝、殿下、妃殿下、佳子内親王と最後の挨拶をして宮廷を出た眞子内親王の、祝福されない門出は、不憫といえば不憫である。

今後はニューヨークに渡り、小室氏は弁護士として生計を立てていくとのことだが、「起きた事件で弁護に当たる」日本の弁護士とは違い、アメリカは「事件を起こして弁護に当たる」などと、物騒に比喩されるほどに熾烈な競争社会である。果たして、やっていけるのか、前途多難が予想されるが、息災を願わずにいられない。

 

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