路地裏問答【2021年5月】

路地裏問答【2021年5月】

路地裏問答【2021年5月】

 

新型コロナは、ようやくワクチン接種が各国で始まったものの、副作用も報告されるなど、ワクチンそのものが根本的な解決策としての光明と成り得ていない上に、イギリスを中心に発生した変異種が、新たに世界へ感染拡大の暴走を続けており、まさにパンデミックによる人類滅亡の危機を描いたSF映画やゲームを彷彿とさせる状況だ。

しかも、不気味なのはそのワクチンがウィルスとともに、「武漢ウィルス」発生源とされる中国で、国際政治に悪用されていると疑われる局面も見られており、ウィルスだけでなくワクチンも、ともに運用次第でバイオ兵器と成り得る可能性を予感させる情勢だ。

ワクチン開発は、アメリカのファイザー、モデルナ、イギリスのアストラゼネカ、中国のシノバックなどが先行しているが、わが国でも武田薬品、第一三共、塩野義製薬など国内メーカーが着手するなど、各国が全力を挙げている。しかし、残念ながら我が国は、政府のコロナ対策における緩慢さが足かせとなり、臨床試験や国民への供給体制など、万事に後れを取っているため、菅内閣は米ファイザー製ワクチンの大量導入を決定した。

ところが、すでに接種が先行している国では、接種後の頭痛や発熱、さらにはアナフィラキシー(急性アレルギー反応)による激しい痙攣、呼吸困難など、見ている方も怖くなるような副作用が発症し、安全性が疑問視される事例が報告されている。

しかも、ワクチンの免疫効果には期間的制限があり、一度の接種で安全安心とはいかない。その上に、ウィルスそのものの変異・進化が止まらないのであるから、いたちごっこであり、脅威を前に為す術が見つからないという、人類の危機に直面していると言えよう。

折しも、ゾンビをモチーフに、生物兵器となるバイオウィルスの流出によるパンデミックを描いたゲームソフトで、後の爆発的なヒットにより、映画としてもシリーズ化された『バイオハザード』(CAPCOM)の新作が脚光を浴びている時節柄、世界中のファンにとっては、まさかのSFが現実になってしまったような心境だろう。

そうした時に、折からの米中経済対立がさらに激化し、そうしたウィルスとワクチンがゲームや映画さながらに、バイオ兵器としての脅威をもたらしかねない様相を呈している。中国共産党は一帯一路構想で、アメリカから世界覇権の奪取を画策してきた。対するアメリカは、中国共産党による香港、台湾、ウィグル自治区、内モンゴル自治区への非人道的弾圧と人権侵害、さらには日本を含む周辺国への拡大侵略行為を非難。そこに豪州やEUを含む世界60か国が呼応し、中国包囲網となる「日米豪印クアッド体制」を核に、対決姿勢を鮮明にした。

これに対抗して、中国共産党は南米、アフリカなど、これまで経済支援で服従させてきた後進国を自陣営へ引き入れるべく、コロナワクチンの供給を釣り餌にして、支配体制をさらに強めようと策動している。

しかし、これはワクチンを自給確保できない弱小後進国にとっては、国民が人質に取られたようなもので、いわばウィルス兵器ばかりか、その抗体として標的を保護・救済するはずのワクチンまでが、同じくバイオ兵器として悪用し得る可能性を示していると言える。

中国共産党は「政治利用ではなく、あくまで人道的施策」と強調し、人民日報などの既存メディアをはじめ、ネット工作集団・五毛(8円)党までも動員して抗弁するが、共産革命以来、今日に至るまで、自国民のみならず周辺国民にまで行ってきた悪逆非道の暗黒史は抹消できるものではない。

4月下旬には「気候変動に関するオンライン首脳会議」(サミット)が開催された。中国は温室ガス排出削減目標の策定に当たって、発展の権利主張と背中合わせに欧米への批判と圧力を強める一方、自国としては、温暖化対策の表層的な貢献度アピールと演出プロパガンダを以て、国際社会の非難回避に全力を挙げるだろう。

しかし、環境問題も経済問題も外交問題も人権問題も、その非人道的な政権運営の暗黒史に限らず、コロナパンデミックの初期対応に見せた、不誠実な虚偽に満ちた対応ぶりで招いてしまった世界の不信感は根深い。それを口先の詭弁と虚言だけで払拭し、世界の非難を治めるのは、たとえ舌戦に長けた諸葛孔明といえども容易なことではないだろう。

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