年頭所感／北海道開発局 小樽開発建設部 部長 坂場 武彦

道路ネットワーク・港湾整備で人流・物流効果を図り
世界水準の観光に相応しい環境を育てる

国土交通省 北海道開発局
小樽開発建設部
部長 坂場 武彦

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
皆様には日頃から、小樽開発建設部の事業推進につきまして、特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

小樽開発建設部が管轄する後志地域は、豊富な農水産物が産み出す食の魅力や、国内外から多くの観光客を惹きつける観光地としての魅力を併せ持つ、北海道総合開発計画が掲げる「世界の北海道」を象徴する、高いポテンシャルを有する地域です。当部では、「世界の後志」のキャッチフレーズのもと、この地域の生産空間（農林水産や観光等を担う地域）を支える各種事業を、引き続き展開して参ります。

さて、昨年来、国内外の社会・経済情勢は大きく変化し、集中から分散型への変化、様々な分野でのリモート化、デジタル化の加速など、これまで経験したことが無い変革期を迎えております。一方、後志地域では、今後10年間で北海道新幹線や高速道路網の整備が進み、冬季オリンピックの誘致も期待されるなど、アフターコロナ下において地域経済や交通形態が新たなステージに進む時期を迎えることになります。

このような状況において、当部では、人流・物流の効率化に資する道路ネットワーク・港湾の整備など、地域経済を支え、生産性向上など効果の大きいインフラ整備を重点的・集中的に推進するとともに、国民の命と財産を守り、持続的な成長基盤の構築にも資する、防災・減災、国土強靱化の取組を強力に推進いたします。

さらに、これらの実施に当たっては、道内唯一のi-Construction モデル事務所として、BIM/CIMを活用した設計・施工やICT活用工事の実施など、デジタル・トランスフォーメーションを加速するとともに、建設業の「生産性向上」や「働き方改革」を鋭意推進して参ります。

道路事業では、一般国道5号倶知安余市道路の整備について、延長約4kmの新稲穂トンネル工事をはじめ、橋梁工事や土工工事を全面展開いたします。また、管内国道総延長約490kmに対して、維持・除雪等の道路管理に万全を期すと共に、防災対策、老朽化対策、交通安全対策、無電柱化等の整備を進めます。さらに世界水準の観光地に相応しい環境を守り育てるために、シーニックバイウェイ北海道やサイクルツーリズム推進の活動団体など沿線地域と協働しながら、魅力ある地域づくりに向けた取組を推進します。

治水事業では、一級河川尻別川において河道掘削を行い、治水安全度の向上を図ります。また、河川管理施設の機能を確保するための点検・補修、堤防の除草を行うほか、周辺自治体などの関係機関と連携しソフト対策も推進します。

さらに、近年頻発している水害や気候変動による今後の降雨量増大と水害の激甚化・頻発化に備え、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」を計画的に推進します。

港湾整備事業では、小樽港において、北海道日本海側北部クルーズ拠点の形成に寄与すべく、みなと観光の拠点たる第3号ふ頭において、大型クルーズ客船の受入環境を整えるための岸壁改良等を鋭意進めます。また、石狩湾新港では、船舶の安全な利用環境を整えるために北防波堤の延伸を行うとともに、岩内港では港湾施設の老朽化対策を進めます。

農業農村整備事業では、管内の「食」の生産空間を支える取組として、国営緊急農地再編整備事業「ニセコ地区」において、農地の大区画化等を進めます。また、国営かんがい排水事業「中後志地区」において、老朽化が進む双葉ダムと幹線用水施設の改修を進めます。

水産基盤整備事業では、古平漁港における耐震強化岸壁及び東防波堤の整備、美国漁港における水産物の衛生管理に資する屋根付き岸壁の整備、寿都漁港におけるホタテ貝養殖作業の効率を高める新埠頭の整備などを進めます。

小樽開発建設部では、今年も皆様方のご理解・ご支援のもと、様々な事業・取組を鋭意進めて参ります。結びになりますが、今年一年を通じて、後志地域の益々の発展並びに皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。