年頭所感/北海道開発局 小樽開発建設部 部長 遠藤 達哉

年頭所感/北海道開発局 小樽開発建設部 部長  遠藤  達哉

人流・物流の効率化に資する道路ネットワーク・港湾整備で
地域経済を支え生産性向上を図る

国土交通省 北海道開発局
小樽開発建設部
部長 遠藤 達哉

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。皆様には日頃から、小樽開発建設部の事業推進につきまして、特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

小樽開発建設部が管轄する後志地域は、豊富な農水産物が産み出す食の魅力や、国内外から多くの観光客を惹きつける観光地としての魅力を併せ持つ、第8期北海道総合開発計画が掲げる「世界の北海道」を象徴する、高いポテンシャルを有する地域です。当部では、「世界の後志」のキャッチフレーズのもと、この地域の生産空間(農林水産や観光等を担う地域)を支える各種事業を、引き続き展開してまいります。

さて、第8期北海道総合開発計画は策定から7年目を迎えていますが、その間、新型コロナウイルス感染症拡大による社会の変容や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国の方針が打ち出されるなど、国内外の社会・経済情勢は大きな変革期を迎えており、国土審議会北海道開発分科会計画部会では、「新たな北海道総合開発計画」の策定に向けた調査審議に着手しています。一方、後志地域では、今後10年間で北海道新幹線や高速道路網の整備が進み、観光の回復も期待されるなど、アフターコロナ下において地域経済や交通形態が新たなステージに進む時期を迎えることになります。

このような状況において、当部では、人流・物流の効率化に資する道路ネットワーク・港湾の整備など、地域経済を支え、生産性向上など効果の大きいインフラ整備を重点的・集中的に推進するとともに、国民の命と財産を守り、持続的な成長基盤の構築にも資する、防災・減災、国土強靱化の取組を強力に推進いたします。

さらに、これらの実施に当たっては、i-Construction モデル事務所として、BIM/CIMを活用した設計・施工やICT活用工事の実施など、インフラ分野におけるDXを加速するとともに、建設業の「生産性向上」や「働き方改革」を鋭意推進してまいります。

道路事業では、後志地域と新千歳空港や苫小牧港などを結び、後志地域の生産空間の維持・発展を支援する倶知安余市道路の整備を重点的に推進します。また、管内国道総延長約490kmに対して、維持・除雪等の道路管理に万全を期すとともに、防災対策、老朽化対策、交通安全対策、無電柱化等の整備を進めます。さらに世界水準の観光地に相応しい環境を守り育てるために、シーニックバイウェイ北海道やサイクルツーリズム推進の活動団体など沿線地域と協働しながら、魅力ある地域づくりに向けた取組を推進します。

また、北海道横断自動車道(蘭越~倶知安)の計画段階評価を進めるため、ルート・構造検討に係る調査等を鋭意進めます。

治水事業では、一級河川尻別川において河道掘削等を行い、治水安全度の向上を図るとともに、河川管理施設の機能を確保するための点検・補修や周辺自治体など関係機関と連携したソフト対策を推進します。

また、気候変動による水災害の激甚化・頻発化に対応するため、流域のあらゆる関係者が協働して、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」を推進します。

港湾整備事業では、産業を支える物流ネットワークの機能強化や安定性確保、世界水準の観光地の形成を図るため、小樽港においては、老朽化対策と併せ、大型クルーズ船の受入環境を改善する岸壁の改良及び歴史的構造物の次世代への継承と港内静穏度の向上を図る防波堤の改良を、石狩湾新港においては、水深不足による非効率な輸送を解消する新たな大水深岸壁の整備及び港内静穏度の向上と航行船舶の安全性の向上を図る防波堤の整備を、岩内港においては、防波堤及び物揚場の老朽化対策をそれぞれ進めます。

農業農村整備事業では、食料供給力や収益性の向上など、地域農業の持続的発展のため、国営緊急農地再編整備事業「ニセコ地区」において、農地の大区画化等を進めます。また、国営かんがい排水事業「中後志地区」において、老朽化が進む双葉ダムなどの用水施設の改修を進めます。

水産基盤整備事業では、古平漁港において静穏度向上のための防波堤改良、美国漁港において漁業就労環境改善のための屋根付き船揚場の改良、寿都漁港においては、ホタテ養殖漁業の衛生管理対策及び漁業活動効率化に資する南港区の整備を進めます。

小樽開発建設部では、今年も皆様方のご理解・ご支援のもと、様々な事業・取組を鋭意進めてまいります。結びになりますが、今年一年を通じて、後志地域の益々の発展並びに皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。

遠藤 達哉 えんどう・たつや
平成3年3月 東京工業大学工学土木工学科卒業
平成5年3月 東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了
平成5年4月 北海道開発庁採用
16年4月 国土交通省北海道局企画課開発専門官
18年4月 独立行政法人土木研究所企画部研究企画課評価・調整室長
21年7月 国土交通省北海道開発局開発監理部開発計画課長補佐
23年4月 同北海道開発局帯広開発建設部帯広道路事務所長
26年4月 同北海道開発局事業振興部技術管理課技術管理企画官
28年6月 同北海道開発局函館開発建設部次長
29年7月 同北海道開発局事業振興部防災課長
30年4月 同北海道開発局建設部道路維持課長
令和2年7月 同北海道開発局建設部道路計画課長
令和3年4月 同北海道開発局小樽開発建設部長

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