年頭所感/北海道開発局 室蘭開発建設部 部長 平澤 充成

年頭所感/北海道開発局 室蘭開発建設部 部長 平澤 充成

豊かな農水産資源と観光を背景に生産空間の維持・発展と「北海道胆振東部地震」災害復旧事業の継続

国土交通省 北海道開発局
室蘭開発建設部
部長 平澤 充成


謹んで新年のご挨拶を申し上げます。室蘭開発建設部が実施している事業の推進につきましては、日頃から特段のご理解とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も地域の皆様の安全・安心を念頭に、また我々の仕事が豊かな地域づくりの一助となるよう、職員一丸となって取り組んでまいりますので、昨年同様のご支援をお願いいたします。

さて昨年も「令和2年7月豪雨」に代表される大雨が九州をはじめ全国各地に大きな被害をもたらし、当部からも二次災害防止や早期復旧に向けたテック・フォース(緊急災害対策派遣隊)を熊本県へ派遣し、被災状況調査を行いました。一方、平成30年の北海道胆振東部地震による被災地域の復旧・復興につきましては、地域の皆様が一日でも早く元の生活を取り戻し、安心して暮らすことができますよう、全力での取り組みを続けているところです。

胆振・日高地方はもともと道内有数の多雨地域であり気候変動の影響が加わることが懸念されるとともに、噴火後20年が経過した有珠山をはじめ3つの活火山を抱えております。さらには日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う地震・津波災害も危惧されています。今後の大規模災害の発生に備え、関係機関等との連携強化を図りながら、防災・減災、国土強靱化に資する社会資本整備等を着実に進めるとともに、災害発生時には、テック・フォース派遣や災害対策用機械による応急対策等を迅速に実施できる体制を整えておき、地域の安全・安心の確保の支援に努めてまいりたいと考えております。

個別の事業として、河川、砂防、海岸事業では、北海道胆振東部地震により発生した大規模土砂が再移動することで起こる二次災害を防止・軽減するための厚真川水系日高幌内川等の恒久対策とともに鵡川・沙流川の堤防整備や河道掘削の対策、平取ダムの放流設備等設置工事、樽前山の砂防堰堤整備、胆振海岸の人工リーフの整備等を実施します。

道路事業では、地震・津波による被害や社会的影響を最小限に抑えるため、緊急輸送道路上の橋梁の耐震補強、道路斜面の防災対策を実施するとともに代替性確保のための高規格幹線道路等の整備を推進します。

港湾事業では、室蘭港や苫小牧港等で老朽化した岸壁や防波堤の機能を回復し、荷役作業の安全性向上や効率化を図るための改良事業を、漁港事業では、主要な陸揚げ岸壁や防波堤の地震・津波対策等を推進します。

農業事業では、北海道胆振東部地震で被災した地区の直轄災害復旧事業等を引き続き実施し、農業水利施設の早期の復旧を行うとともに、施設の長寿命化・耐震化や排水機能の強化を進めていきます。

現在、第8期北海道総合開発計画の中間点検を実施中ですが、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナを見据えたとき、食と観光を担う生産空間の維持・発展の必要性と、胆振・日高地域の重要性に変わりはないと考えております。管内は多彩な農水産資源、豊かな自然を背景とした観光資源、昨年開業した民族共生象徴空間ウポポイなど、特徴ある魅力に溢れた地域です。新型コロナウィルス感染症拡大による地域経済への影響は大変深刻な状況にありますが、ポスト・コロナを見据えた地域経済の発展のためにも、管内の多様な魅力を活かし、地域の発展に貢献できるよう、建設業界の皆様とも連携しながら、各種事業や取組を進めていきたいと考えております。

新たな年における皆様のご健康、ご多幸とご活躍を心よりお祈り申し上げ、年頭のご挨拶といたします。


平澤 充成 ひらさわ・みつなり
昭和61年3月 北海道大学工学部卒業
昭和61年4月 北海道開発庁採用
平成12年4月 北海道開発庁 北海道開発局 港湾部 空港課長補佐
平成13年4月 国土交通省 北海道開発局 港湾空港部 港湾計画課長補佐
平成16年7月 国土交通省 北海道開発局 釧路開発建設部 釧路港湾事務所長
平成18年4月 国土交通省 北海道開発局 小樽開発建設部 小樽港湾事務所長
平成18年7月 苫小牧港湾管理組合 施設部長
平成20年1月 国土交通省 近畿地方整備局 神戸港湾空港技術調査事務所長
平成22年4月 国土交通省 北海道開発局 小樽開発建設部 次長
平成24年4月 国土交通省 北海道開発局 港湾空港部 空港課長
平成26年4月 国立大学法人 九州大学 教授
平成29年4月 国土交通省 北海道開発局 港湾空港部 港湾建設課長
令和元年7月 国土交通省 北海道開発局 釧路開発建設部長
令和2年4月 国土交通省 北海道開発局 室蘭開発建設部長

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