年頭所感／北海道開発局 帯広開発建設部 部長 小林 幹男

十勝の基幹産業農業・食の生産性向上に資する整備事業促進や
高規格道路ネットワークの整備

国土交通省 北海道開発局
帯広開発建設部
部長 小林 幹男

　新年明けましておめでとうございます。新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。皆様には、帯広開発建設部が推進する北海道開発行政に格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルス感染症の流行やロシアによるウクライナ侵攻による物価高、サプライチェーンの混乱、円安等の影響もあり、個人消費、観光などは、持ち直ししてきているものの、年末にかけて、世界同時不況の兆しも見られております。そのため、本年は、前述の各種要因も重なり、先行きが不透明な年となりそうです。そのため、帯広開発建設部としては、補正予算や当初予算の早期発注に向けた準備を進め、地域経済の下支えに努めて行きたいと考えております。

また、第8期北海道総合開発計画を協力に推進するとともに、新たな計画に向けた取組として、十勝地域の強みである「食」と「観光」、「再生可能エネルギー」を担う「生産空間」を支えるための交通・物流ネットワークの強化、農林業の競争力・付加価値の向上、耕畜再エネ連携の強化、世界水準の観光地形成等に取り組んでまいります。激甚・頻発化する自然災害、特に切迫する日本海溝・千島海溝沿い超巨大地震の発生に備え、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」などの推進により、災害に強靱な地域づくりを進めます。

治水事業では、大正12(1923)年に本格的な河川改修が十勝川で着手されてから昨年100年目という節目の年を迎え、100周年となる今年は、流域発展の礎となった十勝川の治水の歴史や治水事業の担った役割等を再認識し、十勝川流域の更なる発展と防災意識の向上にむけた取組として、シンポジウムなどの100年記念事業を行います。また、気候変動の影響により激甚・頻発化する災害に対応するため、十勝川水系河川整備計画の変更に向けて検討を進めるとともに、流域全体のあらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」を推進するとともに、着実に治水事業を進めることで、強靱な国土づくりに取り組んでいきます。加えて、地域と共に魅力的な水辺空間の創出や、水辺利活用を促進する「かわたびほっかいどう」プロジェクトも推進していきます。

道路事業では、十勝地域の生産空間の維持・発展による食料安全保障、観光振興への更なる貢献のため、国土の強靱性を確保し、地域間の連携強化を図る高規格道路ネットワーク整備として、令和3年度に足寄～陸別間が事業再開となった北海道横断自動車道網走線や、令和4年度に豊似～広尾間が新規事業化された帯広・広尾自動車道等の整備を推進します。また、世界水準のサイクルツーリズム環境の実現に向け、北海道初のナショナルサイクルルートに指定された「トカプチ400」の安全で快適な自転車走行環境の創出や、民間と行政が一体となって受入環境の向上、情報発信等の取組を推進していきます。

農業農村整備事業では、十勝の基幹産業であり魅力の一つである農業・食において、農地の湛水被害を防ぎ生産性を向上させる排水施設や、農業用水の安定供給のためのパイプライン、ファームポンド等の用水施設を整備し、農作物の収量増、品質の向上及び作付作物の多様化に寄与し、食料の安定生産に貢献いたします。

防災に関する地域支援として、被災した地方自治体等の被災状況の把握や災害復旧を支援するTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の技術力向上訓練、地方自治体などの被災状況を迅速に情報収集し、支援内容を連絡調整するリエゾン(現地情報連絡員)の訓練、災害時に迅速かつ的確な運用ができるよう、災害対策用機械の運転操作訓、管内自治体などへの公開訓練を行います。

結びとなりますが、本年が希望に満ちた年でありますよう、皆様のご多幸とご健勝を心よりお祈り申し上げまして、年頭のごあいさつといたします。