年頭所感/北海道開発局 札幌開発建設部 部長 富山 英範

年頭所感/北海道開発局 札幌開発建設部 部長 富山 英範

道央都市圏・地域連携で経済活動の強化を図り
道央圏社会・経済活動を支えるインフラ整備を推進

国土交通省 北海道開発局
札幌開発建設部
部長 富山 英範

 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。日ごろより札幌開発建設部の事業推進に特段のご支援とご協力を賜 っておりますこと、厚くお礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、長引く新型コロナウィルス感染症の影響、国際情勢に伴う物価急騰、地球温暖化対策など、重要な問題が社会を覆う年となりました。しかしながら、これらの問題に対応する観光の再興、食料自給率の向上、カーボンニュートラルの推進、さらには国土強靱化といった機運の高まりは、北海道の強みにつながる点も多く、北海道が日本を先導する役割を担うべき局面ととらえることもできると思います。

2023年、こうした社会情勢を念頭に、管内各市町村等の取組みと連携して道央圏の社会・経済活動を下支えするインフラ整備を推進してまいります。

まず、当部の最重要課題として、気候変動により激甚化する災害への備えを進めます。水害・土砂災害に対しては、石狩川水系の河川改修、北村遊水地、幾春別川総合開発事業、雨竜川ダム再生事業、豊平川砂防と多くの事業に取り組んでおり、今年は「新桂沢ダム」の試験湛水を予定しているほか、「三笠ぽんべつダム」では新年度予算での本体着工を控えています。

また、実際に災害発生が危惧される場合、迅速に自治体等と連携した対応ができるよう、リエゾンによる情報共有および TEC-FORCE による災害復旧支援を実施します。

加えて、老朽化が進むインフラについて点検・補修データに基づく計画的な維持修繕を行うとともに、法面防災対策、冬期交通の安全確保等の道路管理に務め、地域の安心・安全の向上に寄与してまいります。

次に、管内に広がる農地の生産性向上や新規投資が進む再生可能エネルギーの開発・活用を促進するなど、地域経済の発展を後押しする事業を推進します。

農業分野ではICT技術の導入にもつながる農地の大区画化や農業水利施設等の保全・更新を推進し、農業の収益力の向上に貢献します。

経済発展には物流環境の改善につながる交通インフラの整備も重要です。令和6年度の延伸供用を目指して事業を進めている道央圏連絡道路は、沿道の都市群と空港・港湾を結ぶ広域交通網を構築し、産業立地の基盤を充実するとともに、農産品の流通環境を改善します。また新幹線延伸に向けて活発な投資が行われている札幌都心部へのアクセス道路(国道5号「創成川通」)について、引き続き、調査設計、関係機関協議を着実に進めます。

もうひとつの重要な産業分野である観光については、外国人旅行者を含めた本格的な回復が見込まれます。道内の観光振興に向け、新千歳空港において冬季の安定運航に資する誘導路の複線化を進めるとともに、雄大な自然を活かしたドライブ観光による周遊を促進するため、道路網や「道の駅」、「国営滝野すずらん公園」の整備・活用を推進します。国道 230 号「定山渓拡幅」は令和4年度中の供用を目指しており、いよいよ札幌から定山渓温泉までの4車線化が完了することになります。

また、道路や河川のネットワークを活用し、各地域の景観や食、体験を楽しむサイクルツーリズムやシーニックバイウェイ北海道、「かわたびほっかいどう」など、各地の特色を活かした取組みとの連携・協働を推進します。

一方、永きにわたりこうした事業・施策を支えて頂いている建設産業も、資材価格の上昇、時間外労働の上限規制など、重大な環境変化に晒されています。最前線で地域を支える重要な産業として今後も継続的に発展できるよう、当部としても担い手確保・人材育成の取組みや生産性向上に資する新技術の導入等を強力にサポートしていきたいと考えています。

本年も皆様からのご意見を大切にしながら、「世界の北海道」の実現に向けて取り組んでまいりますので、引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。

新しい年が皆様にとりまして実り豊かで幸多き一年になりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

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