年頭所感／北海道開発局 旭川開発建設部 部長 武井 一郎

激甚・頻度化する水災害に対し流域治水を基本に河川整備推進や
食と観光を担う生活空間の維持発展に邁進

国土交通省 北海道開発局
旭川開発建設部
部長 武井 一郎

　新年明けましておめでとうございます。新春を迎え、謹んで皆様のご健勝を心からお慶び申し上げます。

また、平素から北海道開発局の事業推進に向けて、絶大なるご理解ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の拡大から、まもなく丸3年が経とうとしています。昨年までのコロナ禍においては、地域経済は大きな打撃を受け、北海道の強みである「食」と「観光」にも大きな影響を及ぼしました。しかしながら、感染症の影響を受けてもこれらの強みは失われてはおらず、今後の北海道開発の指針になるものでありますので、当部としては本年も引き続き、食と観光を担う「生産空間」の維持・発展のため、「第8期北海道総合開発計画」を推進するとともに、「新たな北海道総合開発計画」の策定に向け、各種取組を進めてまいります。

また、一日も早い地域経済の立て直しに向け、早期かつ適切な工事・業務の発注等にしっかりと取り組むとともに、今後とも地方公共団体や関係機関と連携しつつ、ハード・ソフト対策の両面から「防災・減災、国土強靱化」などの取組を推進してまいりますので、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

治水事業では、気候変動の影響による災害の激甚化・頻発化に対応するため、あらゆる関係者が協働して水災害対策に取り組む「流域治水」の考え方に基づき、河川整備として河道掘削、堤防整備、河床低下対策、河岸侵食対策等を推進し治水安全度の向上を図るほか、砂防事業では、林野庁の治山事業と計画段階から連携し、流域治水の一環として流木対策を実施する全国初の「流域流木対策」モデル地区となった美瑛川上流で、引き続き十勝岳火山泥流対策を、石狩川上流では土砂・洪水氾濫対策として砂防堰堤等の整備を推進してまいります。

都市水環境整備事業では、「美瑛川地区かわまちづくり」において整備されたサイクリングロードが令和2年7月から供用され、地域の観光振興などに貢献しております。

また、現在、名寄川やサンルダムの空間において進められている「名寄川地区かわまちづくり」の取組を引き続き推進してまいります。

さらに、魚類が持続的に再生可能な河川環境を保全するための「天塩川中上流地区自然再生事業」についても推進してまいります。

道路事業では、北海道縦貫道士別剣淵～名寄、令和7年度開通予定の国道40号音威子府バイパス、旭川十勝道路富良野北道路など人流や物流の拡大等を図る高規格道路ネットワークの構築や、道路の防災・減災対策、道路施設の老朽化対策や交通安全対策を推進するほか、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を重点的かつ集中的に推進してまいります。

また、道路の防災性の向上、安全で快適な通行空間の確保、景観・観光振興等の観点から無電柱化を推進するほか、災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能を確保するため、高規格道路のミッシングリンクの解消等を推進するとともに、「生産空間」の維持・発展のため、「道の駅」の活用・充実等を図ってまいります。

さらに、北海道縦貫自動車道の中川～天塩間については、計画段階評価の調査を推進します。

農業農村整備事業では、北海道が日本の食料供給基地としての更なる貢献を果たせるよう上川地域の特色を生かした生産基盤の整備を推進してまいります。

担い手への農地集積や農業の高付加価値化を図り農業競争力を強化するために農地の大区画化や汎用化等を行う国営緊急農地再編整備事業を愛別地区等の6地区で実施しています。また、新たな農業水利システムの構築、国土強靱化のために農業水利施設の適切な更新・長寿命化を行う国営かんがい排水事業、国営施設機能保全事業、国営施設応急対策事業を5地区で実施してまいります。

さらに、令和5年度に向けて農地の湛水被害の解消及び維持管理の軽減を図り、農業生産性の向上及び農業経営の安定を目的する国営かんがい排水事業風連多寄地区の調整を継続します。

最後に年頭に当たり皆様のご多幸を心から祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。