年頭所感/札幌開発建設部 部長 鈴木 亘

年頭所感/札幌開発建設部 部長 鈴木 亘

北海道をリードする中核エリア道央地域の
発展と防災・減災や国土強靭化を目指す

 

国土交通省 北海道開発局
札幌開発建設部
部長 鈴木 亘

 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げますとともに、日頃から当部の事業推進に特段のご支援とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、新型コロナウィルス感染症の拡大という未曾有の事態が発生し、北海道経済に大きな影を落としました。そのような中、7月には待望の民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業いたしました。また、「令和2年7月豪雨」では、熊本県を始め各地に甚大な被害が発生し、当部においても最大限の支援活動を行いました。災害により亡くなられた方々、被災された方々には心よりご冥福とお見舞いを申し上げますとともに一日も早い復興を心からお祈りいたします。

さて、第8期北海道総合開発計画は、計画策定から5年が経過し、現在、国土審議会北海道開発分科会において中間点検が行われております。これまでの各種施策の進捗状況を把握するとともに課題等をしっかりと整理し、引き続き「世界の北海道」を目指して一層の取組を進めて参ります。

札幌開発建設部では、個性豊かで多彩な地域資源を活かし、北海道をリードする中核エリアとしての道央地域の発展を目指して地域重点プロジェクトを推進していきます。

「生産空間の維持・発展」の取組については、広域分散型の地域構造を支える道路ネットワークの形成を図るため、高規格幹線道路と一体となって道央都市圏と他圏域とのアクセス強化などを図る地域高規格道路「道央圏連絡道路」などの整備や、札幌都心アクセス道路の検討を推進するとともに、「生産空間」の生活を支える「道の駅」の活用・充実に取り組みます。

「農林水産業・食関連産業の振興」の取組については、農地の大区画化等による生産性のさらなる向上、農業水利施設等の保全・更新による生産力の計画的な確保を図ることで、担い手への農地集積・スマート農業導入・高収益作物の作付拡大といった農業収益力のより一層の向上に資する農業生産基盤の整備を推進します。

「世界水準の観光地の形成」の取組については、新千歳空港では冬季の安定運航に資する誘導路の複線化事業を進めるとともに、すべての旅行者がストレスなく快適にドライブ観光を満喫できるよう、多言語による道路情報提供等の充実など、訪日外国人旅行者等の受入環境の向上を目指します。また、「国営滝野すずらん丘陵公園」においては、四季を通したイベントやWi-Fiスポットの提供、QRコード(15か国語対応)による公園情報の提供等、外国人観光客が快適・円滑に公園を楽しむための受入環境を整備します。さらには、サイクルツーリズムやシーニックバイウェイ北海道、かわたびほっかいどうなど、地域協働の取組を進めます。

「強靱で持続可能な国土の形成」の取組については、防災・減災、国土強靱化の更なる加速化・深化を図り、気候変動等に伴う水害・土砂災害の頻発・激甚化への備えや甚大な被害が発生した地域の再度災害防止等のため、石狩川、千歳川等の洪水氾濫を未然に防ぐための河川改修、北村遊水地の整備、豊平川の土砂災害等を軽減する砂防施設の整備、本体工事を実施中の幾春別川総合開発事業、実施計画調査を行っている雨竜川ダム再生事業等や水防災に関する啓発活動等のソフト対策を推進するとともに、河川管理者等が行う「治水対策」に加え、あらゆる関係者が協働して流域全体で水害を軽減させる「流域治水」を計画的に推進します。また、土砂災害等に対応した法面防災対策、橋梁等の老朽化対策や空港の耐震対策、冬季交通の安全確保と暴風雪災害時等におけるきめ細かな地域支援や道の駅等の防災機能強化、良好な景観の形成や観光振興の効果も期待される無電柱化等を推進します。さらに、近年頻発している大規模自然災害に備え、地域と連携した災害対応が迅速かつ円滑に実施されるよう、リエゾン(情報連絡員)による情報の収集と提供及びTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)派遣による災害復旧支援を実施します。

今年は、札幌市において東京2020オリンピック・パラリンピックのマラソン競技等の開催が予定され、地域の飛躍の契機となることが期待されます。皆様からのご意見を大切にしながら、「世界の北海道」の実現に向け努力していきますので、引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。

新しい年が皆様にとりまして実り豊かで幸多き一年になりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

 

年頭所感カテゴリの最新記事