年頭所感/北海道開発局 稚内開発建設部 部長 佐々木 純

年頭所感/北海道開発局 稚内開発建設部 部長 佐々木 純

独自の「強み」を有する宗谷地域の主要産業である
漁業・酪農・観光等を支えるインフラ整備の促進

国土交通省 北海道開発局
稚内開発建設部
部長 佐々木 純

 

新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。

日頃から当部が実施する事業の推進に特段のご支援とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、令和元年12月に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大は、我が国と北海道、宗谷地域の社会・経済に対して未だ影響を与え長期化しています。

また、脱炭素化やデジタルトランスフォーメーションに向けた施策が様々な分野において始まるなど、我が国、北海道、宗谷地域を取り巻く情勢は、急速かつ大きく変化しています。

このような状況に対して、国土審議会北海道開発分科会計画部会において、2050年を見据えた新たな北海道総合開発計画の策定に向けた検討が昨年3月から始まり、令和5年度の策定を目指しているところです。

北海道本島最北に位置し国境に隣接する宗谷地域におきましては、主要産業である漁業や酪農が食料供給基地としての機能を担っている他、利尻・礼文の離島をはじめ、サロベツ、北オホーツクなどの豊かな自然による観光資源、風力を活かした再生可能エネルギーなど、独自の「強み」や「個性」を有しています。

こうした地域のポテンシャルを発揮していくため、水産、酪農の生産の振興や、遠隔地にある大消費地までの物流の改善、サイクルツーリズム推進等の観光振興、そして地域の方々が安全・安心に暮らせるよう、関係機関等と必要な連携を図りながら各事業や施策を進めてまいります。

また、災害発生時における地域支援として、リエゾン(現地情報連絡員)やドローン隊等のTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)派遣、災害対策用機械の貸出等、防災体制面でも地域を支えてまいります。

ここで改めまして当部の主な事業をご紹介いたします。

道路整備事業では、防災・減災対策として、地吹雪による視程障害解消のため40号天塩防災、海岸浸食による道路破損等解消のため238号浜猿防災及び橋梁損傷や耐震性不足等の解消のため238号幌別橋架替などを、交通安全対策及び無電柱化として、275号下頓別北視距改良及び40号稚内中央電線共同溝などを実施してまいります。

港湾整備事業では、重要港湾稚内港で北ふ頭地区北防波堤ドームの老朽化対策や地方港湾宗谷港ほか4港で岸壁等の改良を実施してまいります。

農業農村整備事業では、農地の改良を通じて酪農経営の安定と地域の収益力の向上を目指した取組を実施してまいります。具体的には、生産基盤の整備と土地利用の整序化を図る国営農地再編整備事業と泥炭土に起因して地盤沈下した農用地や農業用排水施設の機能回復を図る国営総合農地防災事業を実施してまいります。

水産基盤整備事業では、東浦漁港で、ホタテガイ漁業における衛生管理対策の強化を図るための岸壁等の整備、礼文西漁港で荒天時における港内静穏度を確保するための防波堤改良、抜海漁港ほか3漁港で泊地等の長寿命化対策を実施してまいります。

結びに、皆様にとって本年が健やかで明るい年となりますよう御祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。


佐々木 純 ささき・じゅん
平成3年3月 北海道大学大学院工学研究科
土木工学専攻修士課程修了
平成3年4月1日 運輸省(港湾局技術課)採用
平成23年6月1日 中部地方整備局清水港湾事務所長
平成25年2月1日 港湾空港部港湾計画課港湾企画官
平成27年4月1日 開発監理部開発調整課開発企画官
平成28年10月1日 港湾空港部空港課長
平成29年4月1日 港湾空港部空港・防災課長
平成30年10月15日 鉄道局安全監理官
令和2年8月1日 海上・港湾・航空技術研究所特別研究主幹
令和2年10月5日 港湾局付(カンボジア国政府プノンペン派遣)
令和4年4月1日 稚内開発建設部長

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