年頭所感/北海道開発局 函館開発建設部 部長 岡下 淳

年頭所感/北海道開発局 函館開発建設部 部長 岡下 淳

観光・経済発展へ高規格道路ネットワーク等構築で
人流・物流の拡大と地域間連携強化を図る

国土交通省 北海道開発局
函館開発建設部
部長 岡下 淳

 明けましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。日頃から函館開発建設部の施策推進に特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

第8期北海道総合開発計画は、平成28年3月の閣議決定からまもなく8年目を迎えようとしています。この間、当部においては、農業、漁業に係る生産の場であり観光その他の多面的・公益的な機能を提供している「生産空間」の維持・発展を図るため、交通アクセスの確保や、自然災害の激甚化・頻発化、社会インフラの老朽化に向けた防災・減災、国土強靱化対策を推進してきたところです。一方で、Withコロナやカーボンニュートラル政策など、北海道を取り巻く状況は大きく変化していることを踏まえ、「新たな北海道総合開発計画」の策定に向け2050年における北海道の将来像を見据えて審議が進められています。当部としましても、道南地方のあるべき姿・進むべき方向性を地域と共有しながら、生産空間の維持・発展と強靱で持続可能な国土形成に向けた各種事業を推進して参ります。

当部において、鋭意取り組んでいます主な事業としましては、治水関係では、気候変動の影響による災害の激甚化・頻発化に対応するため、後志利別川水系において、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を進め、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」を推進し、ハード・ソフト一体の事前防災対策を一層加速化します。

道路関係では、北海道内外の人流や物流の拡大、地域・拠点間連携の確保、観光地や主要な空港・港湾等へのアクセス強化を図るため、北海道縦貫自動車道 七飯~大沼の整備を促進し函館・江差自動車道、函館新外環状道路と一体となった高規格道路ネットワークの構築を図ります。また、地震・津波による被害や社会経済活動への影響を最小限に抑えるため、国道227号渡島中山防災、229号美谷防災及び乙部防災、278号尾札部道路の防災対策事業を進めるほか、道路施設が有する機能を長期にわたって確保するため、点検及び計画的・効率的な維持管理を図り適切な老朽化対策を推進します。このうち尾札部道路の豊崎町~大船町間(約500m)は令和4年度中の部分開通を目指し整備を進めます。

さらに、交通事故等のない社会を目指すため5号七飯町の中央帯・付加車線整備や土砂災害等の危険性が高い箇所の道路法面等に関する緊急対策、無電柱化等を推進します。

港湾・空港関係では、函館港弁天地区の岸壁整備を進めるとともに、管内地方港湾6港において利用船舶の安全性向上、物流機能の強化等を進めていくほか、函館空港では浸水対策として排水施設の整備を進め、ゲートウェイ機能の強化を継続します。

農業関係では、国営緊急農地再編整備事業「今金南地区」及び「今金北地区」において、圃場の大区画化や排水改良などの基盤整備と併せて担い手への土地利用集積を進め、生産性の向上と優良農地の確保を図り、農業振興を基幹とした地域の活性化を推進します。

水産関係では、管内の第3種、第4種漁港において国産水産物の更なる品質や付加価値の向上を目指した衛生管理や安定供給のための基盤強化対策、漁港施設の長寿命化対策等を進めます。

また、各種事業においては、より一層、インフラDX・i-Constructionによる生産性向上対策や働き方改革を進め、併せて魅力ある建設業を発信しながら担い手確保に向けた取組を行ってまいりますので、引き続きご支援とご協力をお願いいたします。

最後に、皆様にとりまして素晴らしい一年となりますことをご祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。

岡下 淳 おかした・あつし
平成6年3月 北海道大学大学院工学研究科修士課程修了
平成6年4月 北海道開発庁採用
平成15年4月 帯広開発建設部治水課長
平成17年4月 国土交通本省河川局河川環境課長補佐
平成19年7月 室蘭開発建設部沙流川ダム建設事業所長
平成21年4月 北海道開発局建設部河川計画課長補佐
平成24年4月 同事業振興部防災課防災企画官
平成26年4月 同建設部河川計画課河川企画官
平成27年4月 九州地方整備局武雄河川事務所長
平成29年4月 国土交通本省北海道局水政課企画官
平成30年4月 同北海道局企画調整官
令和2年7月 北海道開発局開発監理部開発調整課長
令和4年6月 函館開発建設部長

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