年頭所感/北海道開発局 帯広開発建設部 部長 竹内 正信

年頭所感/北海道開発局 帯広開発建設部 部長 竹内 正信

農水産業や観光を担う「生活空間」を維持し発展を支える
インフラ強靭化や人流・物流ネットワークを形成する

国土交通省 北海道開発局
帯広開発建設部
部長 竹内 正信


明けましておめでとうございます。新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。皆様には、帯広開発建設部が推進する北海道開発行政に格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年を振り返ると、新型コロナウイルスが猛威を振るい、感染対策として様々な面で変化が求められる一年でした。当部においても、テレワークやWEB会議システムを活用した打ち合わせなど、従前から取り組んでいた働き方改革が急激に進んだところです。また、7月には熊本県等を集中豪雨が襲うなど、全国で猛烈な水害が多発した年でもありました。当部からも熊本県へTEC―FORCEを派遣し、被災箇所の調査等の応急支援を行っています。近年の大規模災害への対応を通じて、事前防災・減災対策や災害発生時の迅速な初期対応の重要性が改めて認識されたところであり、今後も十勝管内における災害対応はもちろん、広域的な支援についても積極的に行ってまいります。

北海道の強みである農水産業や観光を担う「生産空間」を維持し、十勝のさらなる発展を支えるためにはインフラの強靱化は不可欠です。気候変動による豪雨の頻発化が懸念される中、当部では管内での大規模水害の発生に備え、十勝川等における堤防強化、河道の掘削や樹木伐採、戸蔦別川での砂防堰堤等の整備を実施するとともに、十勝川流域全体のあらゆる関係者が協働し被害軽減を図るための「十勝川水系流域治水プロジェクト」を推進していきます。

また、湛水被害や干ばつによる生育不足などの農業生産をめぐる諸課題に対応するため、農地の排水性を向上させる排水路や、農業用水の安定供給のための用水路整備等を引き続き進めてまいります。このことは、生産性や農作物の品質・収量の向上などに寄与し、食料の安定生産にも貢献いたします。

さらに、国道や高規格幹線道路の耐震対策のほか、斜面からの落石等防止工事や音更町木野大通の無電柱化など、安全で安定した交通確保に向けた事業を着実に進めてまいります。加えて、広域分散型の地域特性を持つ北海道・十勝において人流や物流、観光の拡大及び地域・拠点間の連携を確保するため、広域交通ネットワークを形成している北海道横断自動車道の陸別~小利別間及び帯広・広尾自動車道の忠類大樹~豊似間の早期供用を目指し事業を推進していきます。

また、魅力的な水辺空間を創出するため、自治体や地元住民の方々と連携した「かわまちづくり」や「かわたびほっかいどう」、管内の道の駅を活用した地域振興、「十勝シーニックバイウェイ」「サイクルツーリズム」による観光振興についても引き続き取り組んでまいります。

さらに、昨年新型コロナウイルス感染症の影響により延期となった音更町での「十勝川水系音更川総合水防演習」を本年6月に行う予定です。この演習は、出水に備え防災関係機関の密接な連携と水防技術の向上並びに水防意識の高揚を図るとともに、水防に関して地域の方々にご理解・ご協力いただくことを目的としています。

今後の事業の推進に当たっては、地域の意向や実情を十分に踏まえながら、限られた予算で効率的かつ効果的に実施することで、災害に強く安心・安全な暮らしと十勝の発展を支えていけるよう、より一層努力してまいる所存です。

結びとなりましたが、本年が皆様にとって素晴らしい一年となることを祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。


竹内 正信 たけうち・まさのぶ
平成元年3月 北海道大学農学部卒業
平成元年4月 北海道開発庁採用、旭川開発建設部 旭川河川事務所
平成11年4月 建設省河川局河川計画課長補佐(JICA専門家 インドネシア共和国派遣)
平成14年4月 室蘭開発建設部治水課長
平成17年4月 国土交通本省北海道局参事官付開発専門官
平成19年7月 北海道開発局建設部河川計画課長補佐
平成21年4月 北海道開発局建設部河川計画課河川企画官
平成23年7月 北陸地方整備局黒部河川事務所長
平成25年4月 帯広開発建設部次長
平成26年4月 札幌開発建設部次長
平成27年7月 北海道開発局事業振興部都市住宅課長
平成29年4月 北海道開発局開発監理部開発調整課長
平成31年4月 北海道開発局帯広開発建設部長

年頭所感カテゴリの最新記事