インタビュー/十勝総合振興局

インタビュー/十勝総合振興局

災害に強い地域づくりで基幹産業の農業・食や観光を支える

 

北海道 十勝総合振興局 副局長(建設管理部担当)
山廣 孝之

 

―― 副局長就任にあたっての抱負

山廣 十勝管内は、全道振興局の中で最も広い面積を有し、特に農業においては北海道の中心的な役割を担う地域であり、管内19市町村で構成する「フードバレーとかち推進協議会」を設立し、「食」や「農林水産業」を柱とした様々な事業に取り組んでいます。現在は新型コロナ感染症の影響もあり、観光入込客数は減少していますが、食や広大な原風景は、観光産業にも大きく寄与するものです。

一方、管内では、平成28年8月の台風等による甚大な被害など、豪雨災害や土砂災害などがたびたび発生していることから、安全・安心の確保に最優先で取り組む必要があると考えており、道路や治水施設などの社会資本整備を通じて、十勝の基幹産業である農業や観光をしっかりと支えてまいります。

利別川(足寄町の中流地区 河道断面の拡幅完了)

―― 令和3年度予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興、環境整備事業などの取組について

山廣 これまで発生した豪雨災害や土砂災害を教訓として、地域の皆さまの生命や財産を守るため、安全・安心が実感できる「災害に強い地域づくり」に向け、社会資本整備を進め十勝地域の強靭化を加速化させます。

主な事業としては、治水事業では、平成28年に浸水被害のあった利別川や美生川などで河道拡幅による流下能力の拡大を図るとともに、ペケレベツ川や芽室川で堰堤や床固工の設置により土砂災害の軽減を図ります。

また、道路事業では、北海道横断自動車道、帯広広尾自動車道の整備が進められ、長流枝スマートインターチェンジの追加やトマム~清水間の四車線化事業が許可されたところであり、当部としてはこれら高規格道路へのアクセス向上のため、長流枝内木野停車場線の整備を進めるほか、幕別帯広芽室線や川西芽室音更線などにおける幹線交通ネットワークの整備などを進めてまいります。

さらに、これまで整備してきた公共土木施設の老朽化が急速に進むことから、損傷が大きくなる前に適宜補修を行う予防保全型の考えを取り入れるなど、「北海道インフラ長寿命化計画」に基づく維持管理や更新を着実に進めてまいります。

事業の推進にあたっては、建設産業での担い手の確保が喫緊の課題になっていることから、「フレックス工期の活用」などによる施工時期の平準化や「発注ロットの大型化」の実施などによる公共工事の円滑な施工の確保を図るとともに、各企業の経営環境の改善を目指して、「早期発注」や地域の実情に応じた「労務単価の設定」等にも取り組み、地域のニーズや課題を的確に捉えながら、建設産業との連携を強化してまいります。

川西芽室音更線  十勝川に架かる中島橋(左側 旧橋、右側 新橋)

山廣 孝之 やまひろ・たかゆき
帯広市出身
平成元年3月 室蘭工業大学大学院(土木工学専攻)修了
平成元年4月 北海道庁 採用 (建設部河川砂防課(旧・土木部砂防災害課))
平成21年4月 建設部河川砂防課(旧・建設部砂防災害課) 主査(土砂災害)
平成23年6月 オホーツク総合振興局網走建設管理部 治水課長
平成25年4月 総合政策部政策局社会資本課 主幹
平成27年6月 胆振総合振興局室蘭建設管理部 地域調整課長
平成28年4月 留萌振興局留萌建設管理部 事業室長
平成29年4月 建設部河川砂防課 砂防災害担当課長
令和元年6月 宗谷総合振興局 副局長(建設管理部担当)
令和3年4月 十勝総合振興局 副局長(建設管理部担当)

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