年頭所感／北海道開発局 旭川開発建設部 部長 鹿嶋 弘律

「食」と「観光」を支える生産空間を維持し、世界の北海道
の実現に向けて、人々が住み続けられる環境整備を推進

国土交通省 北海道開発局
旭川開発建設部
部長 鹿嶋 弘律

新年明けましておめでとうございます。

新春を迎え、謹んで皆様の御健勝を心からお慶び申し上げます。また、平素から北海道開発行政に対して、特段の御理解御協力を賜り厚くお礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、新型コロナウィルス感染症に振り回された一年でありました。旭川市では11月以降大規模なクラスターも発生し、病院等に自衛隊が派遣されるなど、医療崩壊の危機が叫ばれました。新型コロナウィルス感染症の感染拡大による社会経済や国民生活への影響は甚大であり、北海道の強みである「食」と「観光」にも大きな影響を及ぼしています。そのため、感染症の拡大防止と社会経済活動が両立する「新たな日常」を実現していくことが喫緊の課題となっており、今後とも新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止に取り組みつつ、地域の経済を下支えする公共事業の適時適切な執行を行うことで、地域経済の一日も早い回復に取り組んでまいります。

また、北海道では大きな災害が発生しなかったものの、全国的には令和2年7月豪雨災害など甚大なる被害が発生し、当部からも九州地方の被災地へTEC-FORCEの派遣等の支援を行いました。当部管内には、30～40年周期で噴火を繰り返す十勝岳もあり、気候変動の影響等により、自然災害も頻発化・激甚化していることから、今後とも防災・減災、国土強靱化対策に取り組んでいく必要があります。

さらに、昨年11月には音威子府バイパスの音中トンネルが貫通したことにより、音威子府バイパスの一日も早い完成に向けた地元の期待も高まっています。

各事業につきましては、「食」と「観光」を支える生産空間を維持し、世界の北海道を実現するため、今後とも生産空間に人々が長期に住み続けられる環境を整備していくことが重要であり、昨年12月に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を踏まえ、国土強靱化対策の加速化を図るとともに、現在実施している中間点検の結果も踏まえ、第8期北海道総合開発計画の実現に向けて取組を推進します。

治水事業では、気候変動に伴い激甚化・頻発化する水害・土砂災害等に対し、流域治水の考え方に基づき、河道掘削、堤防整備、河床低下対策、侵食対策等の河川整備、十勝岳火山噴火泥流対策や渓流保全工等の砂防施設整備を推進し、治水安全度の向上を図ります。また、都市水環境整備事業では、名寄川地区かわまちづくり、天塩川中上流地区自然再生事業を推進します。

道路事業では、北海道縦貫自動車道士別剣淵～名寄間、国道40号音威子府バイパス、旭川十勝道路富良野北道路等、生産空間の生活や物流等を支える高規格幹線道路等のネットワークの構築や、道路の防災・減災対策、老朽化対策や交通安全対策を推進するほか、道の駅の活用・充実等を図ります。

農業農村整備事業では、食料供給力や産地収益力の向上のため、担い手への農地集積・集約化を促す基盤づくりとして、上士別地区等7地区で事業を推進します。また、農業用水の安定供給や農業水利施設の適時適切な保全・更新を図るため、当麻永山用水地区等4地区で事業を推進するほか、共栄近文二期地区で新規着手します。

また、建設関連産業との関係では、全国的に生産年齢人口が減少する中、社会インフラの整備・維持管理や災害対応に重要な役割を果たしている 建設関連産業の担い手確保・育成に向け、働き方改革が急務となっているところであり、その実現に向けて、今後も受発注者間のコミュニケーションの円滑化を図りながら、適正な工期設定、週休2日の実施、施工時期の平準化、i-Construction等生産性向上の取組を推進してまいります。

最後に年頭に当たり皆様の御多幸を心からお祈り申し上げまして、新年の御挨拶とさせていただきます。