寄稿/中部地方整備局 愛知国道事務所

寄稿/中部地方整備局 愛知国道事務所

国道247号西知多道路(東海ジャンクション)の整備を推進

―― ものづくり産業の支援、中部国際空港アクセスのダブルネットワークの形成

 

国土交通省 中部地方整備局
愛知国道事務所長 平井 親一

■事業の概要

西知多道路(国道247号)は、中部国際空港と名古屋港及び高規格幹線道路(伊勢湾岸自動車道)を連絡し、名古屋都市圏自専道網を形成することで、国道247号の渋滞を緩和し、物流効率化によるものづくり産業の支援を目的に計画された道路です。そして、知多半島道路とともに中部国際空港と名古屋市街地を結ぶ、信頼性の高いダブルネットワークを形成します。

西知多道路の一部について、国の権限代行事業で進めており、東海ジャンクション区間(延長2.0km)は、平成28年度に新規事業化(権限代行)されました。

愛知国道事務所では、主に伊勢湾岸自動車道、名古屋高速道路、西知多産業道路を接続するランプ橋の事業を担当しています。

本年度は、ジャンクション部のランプ橋の橋梁上下部・改良工事を推進しています。

■期待される整備効果

西知多道路の整備により、一つ目に「物流効率化によるものづくり産業の支援」が期待されます。朝ピーク時の渋滞が緩和され国道247号の物流の安定性が確保されるとともに、自動車産業等、ものづくり産業の円滑な企業活動に寄与します。二つ目に「代替性の確保」です。中部国際空港へのアクセス道路の代替機能が確保され、さらに訪日外国人観光客やリニア中央新幹線の開業などによる交通需要の増加に対応します。

■施工状況

現在、ランプ4橋(Eランプ橋・Fランプ橋・Gランプ橋・Hランプ橋)及び荒尾OFFランプ橋等の工事に着手しており、橋梁基礎工事(場所打ち杭・ケーソン基礎)、橋脚躯体工事(コンクリート・鋼製)を進めており、一部工事は地域の経済活動との両立のため、通行規制が伴う作業の施工時間を工夫し施工を進めています。また、国道247号西知多産業道路直上の橋梁を施工するために、切り回し道路等の改良工事を進めています。現場の施工にあたっては、道路交通及び架空線・埋設物等との近接施工など第三者への安全等に特に配慮し進めています。

■インフラ分野のDX推進

現在工事を進めている橋梁下部では、供用中の道路と近接した施工となるため、安全な施工を行うために、支保工及び作業足場の施工計画にBIM/CIMを活用した3Dモデルを作成し、干渉・離隔などをチェックし施工を進めています。

BIM/CIMを活用することで通常の測量では計測できない構造物の位置(空中構造物)とこれから構築する橋脚(仮想)との離隔を事前に正確に把握することができています。詳細な施工計画の立案が可能となり、近接道路の道路管理者と調整等が円滑に進められます。

さらに、安全に対する意思伝達のツール4Dを作成して協力業者への作業前の作業手順の確認や説明に活用し、安全第一での施工を進めます。
今後も、DXツールを活用し「より良い職場環境」「効率化・省人化」に受注者の皆さんとともにDX推進に取り組みます。

■最後に

愛知国道事務所では「人・もの・情報の交流を支える道づくり」を目指し事業を推進しています。

引き続き、西知多道路(東海ジャンクション)の早期整備に努めてまいりますので、ご支援・ご協力を賜りますようお願いします。

 

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