国土交通省 中国地方整備局 岡山国道事務所 岡本 哲典

国土交通省 中国地方整備局 岡山国道事務所 岡本  哲典

岡山県内の道路ネットワークの構築・強化

―― ICTを活用した事業の推進

国土交通省 中国地方整備局
岡山国道事務所 岡本 哲典

岡山国道事務所が管轄する道路の位置図

■はじめに

岡山県は古代山陽道の中央に位置し、東は兵庫県、西は広島県に隣接しています。南は瀬戸内海を臨んで四国、北は山陰地方と接しており、中四国地方の交通の要衝(クロスポイント)として古くから重要な位置にあります。

岡山県は立地の優位性から、数多くのひと・モノが行き交う多くの特徴をもっており、自動車交通を支える道路に求められる機能・役割は大変重要となっています。

岡山国道事務所では、皆様が普段利用されている岡山県内の道路における問題点を解決するために、新しい道路を計画・整備したり、約265kmにおよぶ区間を維持・修繕するなど、様々な事業を推進しております。

物流拠点の集積が進む岡山(中四国のクロスポイント)

■主な事業の概要

○国道2号

主な事業としては、岡山倉敷都市圏における国道2号の目下の渋滞課題を解消すべく、古新田~無津地区、加須山地区で交差点立体化を行う「岡山倉敷立体(Ⅰ期)」や、岡山県西部地域で慢性的に発生する交通混雑の緩和などを目的としたバイパス事業である「玉島・笠岡道路(Ⅱ期)」や「笠岡バイパス」を推進しています。

このうち、玉島・笠岡道路(Ⅱ期)と笠岡バイパスについては、令和7年度の開通を目指し、今年度は橋梁上部工事や道路改良工事などを進めております。

○国道180号

主な事業としては、交通渋滞の緩和などを目的としたバイパス事業である「総社・一宮バイパス」や、「岡山環状南道路」、「岡山西バイパス(西長瀬~楢津)」のほか、冠水対策として、高梁川並行区間における増水による路面冠水を防ぐべく、令和5年度に事業化した「総社防災」を推進しています。

このうち、総社・一宮バイパスの一部区間と岡山環状南道路については令和6年度の開通を目指し、今年度は橋梁上下部工事や道路改良工事などを進めております。

また、岡山西バイパス(西長瀬~楢津)については、今年6月11日に起工式を挙行し、橋梁下部工事に着手したところです。

○国道53号

主な事業としては、津山市で発生する渋滞の緩和などを目的としたバイパス事業である「津山南道路」において、用地買収を行いながら橋梁上部工事や道路改良工事などを進めております。

〇ICTの活用による効率化の取り組み

国土交通省では、ICTを活用したインフラ分野のDXを推進しています。この一環として、令和5年度より、小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIMの原則適用を始めております。

岡山国道事務所においても、事業を進めるうえで、効率化・安全性の向上などを目的としたICTの活用に取り組んでいます。例えば、橋梁下部工事において、3次元設計を現地の3次元測量と重ね合わせ、時間軸も追加することで、各段階ごとの施工ステップ図を作成し、4Dでの施工管理を行うなど、ICTを活用した工事のDXに取り組んでいます。

また、道路のサービスレベルの維持・向上や業務の効率化を図るべく、玉島維持出張所において、道路台帳の3次元化や各種システムの一元化を目的とした3次元道路管理情報システムを用いた管理の実施など、出張所業務のDXを行うべく、令和5年度中にシステムの運用を開始する予定です。

4Dでの施工管理の事例(笠岡バイパス カブト南橋梁)

■おわりに

ここまでにご紹介させていただいた事業以外にも、道路の維持管理や耐震補強、交差点改良などの交通安全対策事業、電線類の地中化を行う電線共同溝事業、モビリティ・マネジメント施策であるGOOD ROUTEプロジェクトやスマート通勤おかやまといったソフト施策など、岡山県内の道路における問題点を解決するための取り組みを数多く行っております。
岡山国道事務所は、これからも、地域に頼られる存在となることを目指し、地域のニーズを把握し、関係する自治体や地域の皆様方と連携して、道路整備・管理に取り組んで参ります。

GOOD ROUTEの取組み
梅雨時期に備えた道路法面の点検

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